結婚式招待状の文例とマナー|友人・上司・親族別の丁寧な表現と気配りポイント

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結婚式の招待状は送る相手によって細かな気配りや表現を調整すると、より丁寧で心のこもった印象になります。基本的な構成やマナーは共通ですが、ゲスト別に招待状の文例や対応のポイントを押さえておきましょう。友人、上司、親族それぞれへの招待状マナーと文例をご紹介します。

親しい友人への招待状

友人や同僚などカジュアルな間柄のゲストには、形式は保ちつつも堅苦しすぎない表現を心がけます。とはいえ、結婚式の正式な案内状である以上、基本的には一般的な丁寧文体で作成します。文章自体は親族や上司向けと同じフォーマットでも問題ありません。ただ、場合によっては頭語・結語(拝啓・敬具)を省略したり、定型の時候の挨拶を簡略化したりするカップルもいます。

例えば友人だけのカジュアルなパーティーに近い披露宴であれば、次のような略式の文例も考えられます。

拝啓
◯◯の候 皆様におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます
私たち○○と△△は このたび結婚する運びとなりました
つきましては 日頃より親しくお付き合いいただいている皆様に
感謝の気持ちを込めささやかなパーティーを催したいと存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが
ぜひご出席くださいますようご案内申し上げます 敬具

上記はややくだけた一例ですが、基本は一般的な文章で問題ありません。友人宛ての場合でも、招待状そのものは丁寧な文章で作成し、親しみは別添のメッセージカードや口頭で補うのがおすすめです。例えば招待状に手書きの付箋を同封し、「○○へ いつもありがとう!当日会えるのを楽しみにしています♡」と一言添えるだけで、形式的な文章に温かみが加わります。友人への招待状は、フォーマルとカジュアルのバランスをとりつつ、お二人らしい心配りを感じさせる工夫をしてみましょう。

なお、友人を夫婦で招待する場合には、ご夫婦それぞれお名前を連名で招待状に記載し、一通でお二人をお招きして構いません(内袋に「○○様・○○様」、外封筒に「○○○○ご夫妻」などと表記)。友人グループで招待状を取りまとめる場合も、必ずお一人ずつに行き渡るよう手配しましょう。

親しみは別添のメッセージカードや口頭で補う

会社の上司・恩師への招待状

職場の上司や恩師など目上の方への招待状は、より格式を意識した文章にします。友人宛てと内容自体は大きく変わりませんが、敬語のレベルや語彙に配慮しましょう。例えば自分たちを指す言葉は「私たち」ではなく「私ども」と謙譲語にする、先方に対して「ください」ではなく「いただきたく存じます」のような表現を使うといった違いがあります。また頭語も「拝啓」よりさらに改まった「謹啓」を用い、結語は「敬具」ではなく「謹白」にするとより丁寧です。

上司や恩師向けの招待状文例は以下のようになります(差出人が新郎新婦の場合)。

謹啓
◯◯の候
皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
このたび 私どもは結婚式を挙げることとなりました
つきましては 日頃お世話になっております皆様にお集まりいただき
ささやかではございますが披露宴を催したく存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが
何卒ご臨席を賜りますようご案内申し上げます 謹白

基本的にはこのような定型表現を用いれば失礼にはなりません。ポイントは、くだけた表現や俗語は絶対に避けることです。例えば「〜してください」より「〜くださいますようお願い申し上げます」、「みなさん」より「皆様」、「本状をもってご案内させていただきます」など、できるだけ改まった言い回しを心がけましょう。また、上司宛てには可能であればご本人に直接手渡しで招待状をお渡しし、「ぜひご出席いただけますと幸いです」と一言添えてお願いするのが丁寧です。

なお、職場の同僚などは基本的には友人と同様の扱いで問題ありませんが、会社の先輩や年上の同僚などには念のため上司への招待状に準じた丁寧さを意識すると良いでしょう。また、恩師や目上の親戚も上司への招待状と同程度の敬意を込めた表現にするのがマナーです。

親族への招待状

親族(親戚)に対しても基本的な文章は友人や上司宛てと同じです。ただし、親族の場合は差出人を誰にするかでスタイルが変わる点に注意しましょう。もし「両親がホスト」として招待状を出す場合(両家主催の形式)、招待状の差出人名は新郎新婦の両親連名となり、文中も新郎新婦本人ではなく両家両親の名義で招待する文章になります。例えば「私どもの息子○○と△△様のご息女△△が結婚することになりました…つきましては〜披露宴を催したく存じます」のような文面です。親族の場合、特に年配の親戚にはこの親世代からの形式で招待状を出すと格式ばった印象になり、丁寧だと受け取られます。

謹啓
◯◯の候
私どもの長男 ○○ と △△様ご令嬢 △△ の結婚式を挙げることになりました
つきましては ささやかながら披露宴を催したく存じます
ご多用中 誠に恐縮ではございますが 何卒ご臨席賜りますようお願い申し上げます 謹白

一方、最近では新郎新婦本人が差出人となり、親族にも他のゲスト同様に本人名で案内状を出すことも増えています。その場合、文章上は友人宛てとほぼ同じで問題ありません。ただし親族には二人の顔や関係性がわかるよう、両家それぞれの名字を添えて連名にするのが親切です(例:「新郎○○家 長男 ○○」「新婦△△家 長女 △△」など)。差出人名や敬称(様)の扱いなど細部に気を配りましょう。

なお、両親や同居の兄弟姉妹など挙式当日に確実に出席する親族に対しては、正式な招待状を出さないケースもあります(既に出席が明らかなため)。その場合でも記念として招待状を渡しておくと喜ばれるでしょう。

親族への招待状では、続柄に応じた気遣いも大切です。たとえば遠方の親戚には返信用ハガキとは別に交通案内や宿泊案内のメモを同封する、祖父母には毛筆で丁寧に宛名を書く、など相手に応じた配慮を加えると親切です。また、親族には事前に電話や訪問で結婚の報告を済ませてから招待状を送付するのがマナーです(招待状が突然届く形にならないようにするため)。

相手に合わせたひと工夫で心を伝える

結婚式招待状の基本はどのゲストにも共通ですが、一人ひとりとの関係性に合わせた細やかな配慮ができると尚良いでしょう。友人にはカジュアルすぎない中にも温かみを、上司や親戚には格式と礼節を重んじた丁寧さを——そんな風に表現を意識すれば、招待状からお二人の心遣いが伝わります。今回ご紹介した文例やポイントを参考に、ぜひゲスト別のひと工夫を取り入れてみてください。大切な招待状を通じて、ゲストとの絆をさらに深めるきっかけになりますように。

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Profileこの記事を書いた人

鈴木彩花

■勤務先
都内有名ホテルのブライダル部門

■経験年数
プランナー歴9年(年間担当挙式数20〜30件)

■人物像
・穏やかで丁寧なコミュニケーションが得意。
・マナーや礼儀作法に関する知識が豊富で、特に招待状や席次表などゲストへの配慮を重視。
・トレンドにも敏感で、新郎新婦の理想を的確に理解し具現化する提案力に定評。

■得意分野
・フォーマルかつ洗練された挙式スタイルを実現するプランニング。
・細かな配慮を必要とする年配や職場関係のゲスト対応。
・色やデザインなど、新郎新婦の好みやマナーを考慮した細部へのアドバイス。

■サポートスタイル
・新郎新婦が迷った際には、的確で具体的な選択肢を提示し判断を助ける。
・ネット上の情報との整合性も確認し、新郎新婦の疑問や不安を解消。
・SNSやトレンド情報も積極的に取り入れつつ、ゲストの視点も忘れない。

■対応姿勢
・常に新郎新婦の意向を尊重しつつ、プロとしての提案を明確に伝える。
・準備段階から式当日まで一貫して、安心感のあるサポートを提供。
・マナーやエチケットに関する質問には、根拠と理由を明確にして回答する。