進行表テンプレートのカスタマイズ術|二次会に“らしさ”を加えるコツ

結婚式二次会の進行表には定番の型がありますが、そのままテンプレートを当てはめるだけでは物足りないと感じることもあるでしょう。せっかく新郎新婦にとって特別なパーティーを任されたのですから、二次会に“らしさ”を加えてオリジナリティあふれる進行にしたいですよね。実際、私が関わる二次会でも進行表は毎回少しずつ異なります。それは新郎新婦ごとに重視したい演出やパーティーの雰囲気が違うからです。ここでは、基本の進行表テンプレートをベースにしつつ、新郎新婦やゲストに合わせてカスタマイズするコツをプロ司会者の視点から伝授します。
テンプレートはあくまでベース:自分たちの色をプラスしよう
まず大前提として、進行表テンプレートは土台と考えましょう。一般的なテンプレートには定番の進行項目(例:入場、乾杯、ゲーム、挨拶など)が盛り込まれていますが、それらは基本形に過ぎません。新郎新婦ごとに理想のパーティー像や個性は異なるもの。テンプレートを参考にしつつ、「この二次会ならでは」の要素を加えていくことが大切です。
例えば私が司会をした二次会で、新郎新婦が大の映画好きだったことから、入場シーンで二人の思い出の映画テーマ曲をBGMに使用し、さらにゲスト全員で映画クイズ大会を行ったことがあります。定番のビンゴゲームをやめて映画クイズに置き換えた進行でしたが、「二人らしさが出ていて感動した!」とゲストからも好評でした。また、スポーツが共通の趣味というカップルの二次会では、新郎新婦がユニフォーム姿で入場し、得点ボードを使ってゲームの得点競争をする演出を入れたこともあります。どちらもテンプレート通りではなく工夫を加えた例ですが、会場全体が盛り上がり、お二人にとって思い出深い進行になりました。このように、テンプレートに縛られすぎず、お二人の趣味や出会いのエピソード、好きなものを取り入れられないか考えてみましょう。

プログラムを取捨選択:不要な演出は思い切って省略
テンプレートには様々なプログラムが含まれていますが、すべてを実施する必要はありません。二次会の時間には限りがありますし、新郎新婦が望まない演出を無理に入れることもありません。たとえば、披露宴でケーキカットや手紙朗読を済ませている場合、二次会で改めて同じ演出をすると冗長に感じられるかもしれません。そうした場合は思い切って省略し、その分歓談や写真撮影の時間に充てるのも一つの手です。
逆に、「友人による余興をぜひ入れたい」「ゲームを2種類やりたい」など希望がある場合は、プログラムを追加しましょう。ただし追加すると時間が増えるため、他のパートの時間配分を見直す必要があります。一般的に二次会は全体で約2時間が目安です。その枠内で無理なく収めるよう、他の部分との兼ね合いを調整します。例えばゲームを2つ入れるなら1つあたりの時間を短めに設定する、スピーチを1人に絞るなどの工夫で全体のバランスを取ります。テンプレートをカスタマイズする際は、こうした取捨選択によって無理のない進行内容にすることが重要です。
進行の順番や時間配分を調整してメリハリを
テンプレートでは一般的な順序が示されていますが、状況に応じて順番を入れ替えたり時間配分を調整することで、よりメリハリのある進行にできます。例えば、歓談(フリータイム)のタイミングや長さは、ゲスト同士の交流状況を見て柔軟に考えてみましょう。歓談を前半と後半の2回に分けてもいいですし、一度に長めに確保してゲストにゆったり過ごしてもらうのもありです。
また、イベントの配置にも工夫できます。盛り上がるゲームは中盤以降に持ってくるのが一般的ですが、最初にアイスブレイク的なミニゲームを挟んで会場の雰囲気を温めるのも手です。たとえばビンゴ大会は後半に行い、その前にテーブル対抗の簡単なクイズを序盤に実施する、といったアレンジも可能です。乾杯直後はゲストも落ち着かない時間帯なので、いきなりゲームをせず少し歓談時間を入れる、など時間の緩急をつけることもポイントになります。
時間配分については、新郎新婦から「○○はたっぷり時間を取りたい」「○○は簡潔で良い」など希望を聞いておくと調整しやすいです。例えば「写真撮影の時間をしっかり取りたい」という希望があれば歓談時間を長めに設定し、逆に「ゲーム中心にしたい」なら歓談を短めにしてゲームに30分以上割り当てる、といった具合です。進行表テンプレートの各項目時間を目安にしつつ、メリハリのある時間配分にカスタマイズしてみましょう。
関連記事
“二次会らしさ”を演出する細かな工夫も忘れずに
大きなプログラムだけでなく、細部の演出にもこだわると二次会にぐっと「らしさ」が出ます。例えば、新郎新婦の入場演出ひとつ取っても、通常通り入ってくるだけではなくゲストとのインタラクションを取り入れてみてはどうでしょうか。私が以前見た例では、新郎新婦入場前にゲスト全員でクラッカーを持ち、二人の登場に合わせて一斉に鳴らして迎えるという演出がありました。会場が一体となって盛り上がり、とても印象的でした。
他にも、テーブルごとに写真を撮る時間を設けてゲスト全員と交流したり、新郎新婦にまつわるクイズにゲストが参加できる演出を用意したりと、ゲスト参加型の工夫も“らしさ”につながります。例えば景品の渡し方ひとつとっても、当選者がただ呼ばれて前に出るだけでなく、新郎新婦から直接手渡しして記念写真を撮ればより思い出深いシーンになります。こうしたアイデアは事前準備が必要なので、進行表を作る段階で組み込んでおきましょう。テンプレートの備考欄などに「ここで○○実施」とメモしておくと、当日スタッフ間で共有しやすいです。
最後に、カスタマイズする際の注意点として時間オーバーに気をつけることを挙げておきます。盛りだくさんにしすぎると、当日進行が押してしまい、会場の終了時間に間に合わない恐れも。テンプレートには予め各項目の所要時間が記載されていますが、何か追加する場合はその分他を短縮するか、全体を見直して時間内に収まる計画にしましょう。私も過去に「盛り上がりすぎて時間が足りない!」というヒヤヒヤした経験がありますが、そんなときでも優先順位を決めておけば冷静に対応できます。どの演出を最優先したいか決めておき、状況によっては柔軟に調整できるようにしておくと安心です。以上のポイントを押さえれば、進行表テンプレートをお二人ならではの二次会仕様にカスタマイズできます。『結婚式二次会進行表テンプレート付き:プロ司会者が教える準備と進行のすべて』では基本のテンプレート例も紹介していますので、そちらと見比べながら「ここは変えてみよう」「これは追加しよう」と検討してみてください。工夫を凝らした分だけ、お二人にとって世界に一つだけのパーティーになるはずです。お二人とゲストにとって思い出深い二次会になるよう、プロ司会者目線の工夫をぜひ取り入れてみましょう。
関連記事
Profileこの記事を書いた人
■居住地
東京都
■職業
フリーランスの司会者(MC歴10年)
■経歴と特徴
・司会者としての経験は300組以上。
・ラジオパーソナリティやイベントMCとしても活動経験あり。
・声のトーンは落ち着いており、聞き取りやすく明瞭。
・明るく穏やかな性格で、笑顔が印象的。
■得意なスタイル
・「洗練されたナチュラル感」のある結婚式を得意とする。
・ゲストがリラックスできる空気感を作りつつ、適度なユーモアを交えて会場を盛り上げる。
・新郎新婦の希望をしっかり取り入れ、オリジナリティを尊重した進行。
・臨機応変な対応力に優れ、予定外のトラブルにも柔軟に対処可能。
■価値観・サービスの姿勢
・事前打ち合わせに重点を置き、新郎新婦の人柄や思いを深く理解することを重視。
・式の演出や進行に関して積極的にアドバイスを行い、安心感を与える。
・常にゲスト視点を意識し、新郎新婦だけでなく参加者全員が満足できる進行を心がけている。
■集客方法・強み
・多くの口コミや紹介によって信頼を得ている。
■新郎新婦との相性ポイント
・丁寧で落ち着いたコミュニケーションが特徴のため、品の良い雰囲気を希望する新郎新婦と好相性。
・オリジナル感や手作り感を重視するカップルの気持ちを汲み取りつつ、洗練された空間作りに協力できる。