少人数婚で後悔しないためのポイントと注意点

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「家族と親しい友人だけで、心から感謝を伝えられる式にしたい」
「大規模な披露宴は必要ない。けれど、寂しくはしたくない」

そんな想いから「少人数婚」を選ぶカップルが、近年とても増えています。限られたゲストと過ごすあたたかな時間一人ひとりとの距離の近さ準備や費用面での柔軟さ——どれも大きな魅力です。

けれど一方で、「思ったより盛り上がらなかった」「演出をもっと考えればよかった」と、少人数だからこその“後悔”を口にする声も少なくありません。

本記事では、現役のウェディングプランナーと、実際に少人数婚を経験した先輩カップルの声をもとに、「少人数婚で後悔しないためのポイントと注意点」を徹底的に解説します。

「大切な人と過ごす、かけがえのない一日」にするために、ぜひ事前に押さえておきたい実践的なヒントをお届けします。

少人数婚のメリット・デメリット

まず、小規模結婚式のメリットとデメリットを整理してみましょう。メリットとして一番に挙がるのはアットホームな雰囲気です。ゲスト一人ひとりとゆっくり話せるため、感謝の気持ちを直接伝えられますし、全員で和やかな時間を共有できます。当日30名程度の家族婚を行った卒花嫁も、「ゲストひとりひとりと話せてアットホームな雰囲気が親族に好評でした」と振り返っています。親しい人だけだからこそ緊張しすぎず、自分たちらしい式にできるという声も多いです。また費用面でも全体の規模が小さい分抑えられますし、準備の負担も比較的軽いでしょう。一方デメリットは、「盛り上がりに欠けた」と感じてしまうケースがあることです。「親族だけの結婚式をしたことで『結婚式が盛り上がらなかった』と感じるカップルは多いです。」友人や同僚を大勢招く賑やかな披露宴に比べると、余興や大勢での写真撮影など派手な演出が少なく静かなムードになりがちです。特にゲストの大半が高齢の親族だと会話も淡々とし、「思ったより盛り上がらず寂しかった」という意見もあります。また、招待客を絞る分「本当は呼びたかった友人を呼べなかった」という心残りが出ることや、頂くご祝儀の総額が減るため自己負担額が増える(※費用面は後述)といった点もデメリットと言えるでしょう。このように少人数婚には良し悪しがありますが、多くの先輩カップルの声から学べる後悔しないためのポイントがいくつかあります。

ポイント1:ゲスト選びは慎重に

招待客リストの検討は、小人数婚の成否を左右する重要事項です。限られた人数だからこそ本当に呼びたい大切な人を厳選する一方で、招待客の組み合わせにも配慮しましょう。「例えば友人を一人だけ呼ぶ場合、他に知り合いがいないとそのゲストが当日一人ぼっちになってしまうかもしれません。」ゲストを少人数に限定する際には、一般的な結婚式以上に注意深くゲストリストを考えることが重要です。招待する友人が一人だけで家族との面識がない場合、そのゲストが孤立してしまう可能性があります。親族中心の場合でも、両家の人数バランスに極端な差があると気まずさを生むこともあります。「誰を呼ぶか」「誰まで呼ばないか」を二人でよく話し合い、必要に応じて親にも理解を得ておきましょう。また、招待しなかった友人には事前に別途報告やお詫びを伝えるなど、フォローも忘れずに。ゲスト全員が心から楽しめるメンバー構成にすることが、後悔しない第一歩です。

ゲスト全員が心から楽しめるメンバー構成にすることが、後悔しない第一歩

ポイント2:進行や演出に工夫を

少人数婚では「シンプルに食事会だけでいいかな」と思いがちですが、何も準備しなさすぎると間が持たない恐れがあります。実際、「親族だけだから演出は一切せず歓談中心にしたら、思ったほど会話が弾まず時間を持て余してしまった」という声もあります。親戚同士でも初対面の人がいる場合や、両家が打ち解けるのに時間がかかる場合もあります。歓談以外のちょっとした演出を用意しておくと安心です。例えばゲスト参加型のゲームやクイズ、家族にまつわるクイズ大会、キャンドルリレーなどは少人数だからスムーズに実施できます。全員参加のイベントで一体感が生まれ、場が和むでしょう。また、プロフィールムービーを上映したり、新郎新婦がゲスト一人ひとりを紹介する時間を設けたりするのもおすすめです。親族中心の場合は家系図紹介や思い出写真の展示なども盛り上がります。ポイントは「せっかく集まってもらったゲストに退屈な思いをさせない」こと。​演出を全く用意しないままだと、会話が途切れたとき手持ち無沙汰になってしまうこともあるので注意しましょう。少人数婚だからこそできる温かい演出を取り入れ、「こぢんまりだけど心に残る結婚式」にしたいですね。

ポイント3:規模が小さくても妥協しない

これが実は一番大切な心得かもしれません。「ゲストが少ないから派手にしなくていいや」「身内だけだし質よりコスト優先で…」といった発想には要注意です。実際に少人数婚を経験した多くの先輩花嫁が、「小さい式だからといっていろいろ遠慮しすぎたのは失敗だった」と語っています。卒花嫁の一人は、親族のみの式だったためプランも最低限に留め細部はプランナー任せにしたところ、「お任せしてしまったBGMをもっとこだわればよかった」「写真撮影の指示書をちゃんと書けばよかった」と後悔したそうです。また別のカップルも、「家族婚だからそれほど豪華にしなくていい」と思って演出や装飾を妥協しすぎた結果、「思っていた結婚式と違った」と後悔したとのこと。​「『家族婚だから豪華にしなくてもいい』と考えてあれこれ妥協しすぎた結果、『もっとこんな演出をすればよかった』と後悔してしまうカップルは多いようです。」規模が小さくても主役である二人が心から満足できる式にすることが大切です。そのためには、「本当はこうしたいけど少人数だから…」と遠慮するのはやめましょう。少人数の結婚式を後悔しないために共通して言えるのは、規模が小さいからといって妥協したり遠慮したりしないこと!自分たちがやりたいこと、大事にしたいことには小規模でもしっかりこだわるべきです。例えば「ドレスは着たいものを着る」「装花も好きな花でコーディネートする」「食事もグレードを落とさない」など、規模関係なく譲れない点は大切にしましょう。その代わり不要なことにはお金や労力をかけないメリハリも必要です。優先順位を明確にして準備することで、「小さいけれど自分たちらしい最高の結婚式だった!」と言える日になるはずです。

実際のカップルの声

最後に、少人数婚を経験した先輩カップルのリアルな声をいくつかご紹介します。

  • Aさん(30名規模の家族婚を実施):「最初は『友人を呼ばず親族だけで淋しくないかな…』と不安でしたが、当日は親族とゆっくり過ごせて本当にやって良かったです。一人ひとりと写真を撮ったり話したり、こんなにゆっくりできる結婚式は初めてと両親も喜んでくれました。ただ正直、もう少し演出に凝ればよかったとも思いました。歓談中心にしたら時間が余った瞬間もあったので…。少人数だからと準備を省略しすぎるのも良くないですね。」
  • Bさん(親族20名+友人数名の少人数婚):「呼ぶ人を悩んだのが一番大変でした。結果的に職場関係は招待せず家族親族と親友だけにしましたが、ちゃんと事情を伝えたら皆快く理解してくれました。ゲスト同士の関係性も考えて、友人は2人招待してお互い退屈しないように配慮しました。アットホームで和やかな式になり、とても満足しています。」
  • Cさん(親族中心10名の超少人数婚):「両親への感謝をじっくり伝える場にしたかったので、親と私たち夫婦だけの食事会婚にしました。派手さはありませんが、その分手紙朗読やサプライズプレゼントなど心を込めた演出を行い、涙と笑顔あふれる時間になりました。親も『二人らしい温かい式だった』と喜んでくれて、この形にしてよかったと思っています。」

インタビューからも分かるように、少人数婚ならではの良さを活かしつつ工夫を凝らすことで、「小さいけれど心に残る結婚式」は十分実現できます。不安に思う点は事前に対策し、後悔のないよう準備を進めましょう。規模の大小に関わらず、お二人にとってベストな形の結婚式を作り上げてください。

まとめ

少人数婚は、形式にとらわれずおふたりらしさを大切にできる、自由で温かな結婚式のスタイルです。ただ「小規模だからこそ、準備も気持ちも手を抜かずに丁寧に向き合うこと」が、後悔しない少人数婚を叶えるための最大のポイント。

  • 誰を招くか、どう伝えるか
  • 演出や進行をどうするか
  • お金をかけるところ、削るところのメリハリ
  • そして自分たちが本当にやりたいことは何か

これらを一つひとつ整理しながら進めていけば、人数に関係なく、きっと「やってよかった」と心から思える1日になります。

「派手じゃなくても、記憶に残る結婚式をしたい」
そんなおふたりにこそ、少人数婚はぴったりのスタイルです。

この記事が、そんな理想の結婚式づくりのヒントになれば幸いです。どんな式にしたいか迷ったときは、経験豊富なプランナーや実際に式を挙げた先輩たちの声をぜひ参考にしてみてください。

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Profileこの記事を書いた人

橘さおり

橘 さおり(たちばな さおり)

■生まれた年
1987年

■性別
女性

■経歴・職歴
ブライダル業界経験15年。大手ホテルウェディングプランナーとして8年勤務後、現在は都内の独立系ウェディングサロンでチーフプランナーとして活躍中。これまでに500組以上のカップルを担当。

■性格・特徴
・穏やかで聞き上手。包容力があり、相談者に安心感を与える。
・細やかな気配りと的確なアドバイスが好評。相手の状況や感情に寄り添い、相手が求めている言葉を自然と引き出す能力を持つ。

■得意分野
・結婚準備のファーストステップ(親・職場・友人への報告や手続き)へのアドバイス。
・カップルそれぞれの性格や家族背景に合わせたオーダーメイドな提案。
・家族間の微妙な関係性や伝統的価値観など、デリケートな話題への対応。

■ライフスタイル
・夫と小学生の娘との3人暮らし。自身の経験からも、仕事と家庭の両立や親子関係への理解が深い。
・趣味は旅行、読書、カフェ巡り。プライベートで訪れた場所や経験を仕事に生かすことも多い。

■提供するアドバイス例
「ご両親への報告は、できるだけ早めに直接会って伝えると印象が良いですよ。その際には、今後のことをまだ決めていないことも正直に伝えて、両親にも意見を聞いてみましょう。」
「感謝の気持ちは具体的なエピソードを交えて伝えるとより伝わります。親御さんはお二人の成長を喜んでくれるはずです。」