結婚式招待状で避けるべき色と好印象を与える配色のコツ

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招待状に使わない方が良い色とは?

まずは結婚式の招待状において「使わない方が良い」とされる色を確認しましょう。明確なルールがあるわけではありませんが、慶事である結婚式には不向きだとされる色があります。

  • :最も避けるべき色が黒です。黒一色の封筒や台紙は弔事(お葬式)を連想させてしまいます。また、不祝儀袋(香典袋)に使われる色であるため、慶事の招待状には不適切です。デザイン上アクセントで黒を使う程度なら問題ありませんが、招待状全体の基調色として黒は避けましょう
  • グレー(薄墨色):グレーのインクや薄い墨で印刷された文字もNGです。薄墨は「涙で墨が薄まった状態」を意味し、お悔やみの場で使われる表現です。招待状の本文や宛名を印刷する際は、かすれたような薄いグレーではなくはっきり濃い黒で印字しましょう。グレーの封筒も地味すぎる印象になりやすいため避けた方が無難です。
  • 赤(文字色):赤色は一見華やかですが、名前を赤文字で書くことはマナー違反とされています。日本では名前を赤で書くことは「縁起が悪い」「失礼」に当たる行為です。特に目上の方への招待状では、本文や宛名に赤を使うのは厳禁です。ただし後述するように、赤はお祝いの席でアクセントカラーとして使う分には縁起の良い色ですので、要は使い方次第です。
  • 濃い紫・茶色:これらも色味によっては地味すぎたり喪服を連想させたりすることがあります。特に年配のゲストには、「渋い紫=喪章」「茶色=地味」と受け取られる可能性があります。落ち着いた色調をテーマにしたい場合でも、暗すぎるトーンにならないよう注意しましょう。

以上のように、結婚式の招待状では暗く沈んだ印象を与える色や、弔事を連想させる色は避けるのがマナーです。せっかくの祝いの便りですから、開封した瞬間にパッと明るい気持ちになるような色遣いを心がけたいですね。

パッと明るい気持ちになるような色遣いを心がけたい

招待状に適した色の選び方

それでは逆に、結婚式招待状に取り入れると良い色や配色の考え方を見ていきましょう。ポイントは「お祝いらしさ」と「ふたりらしさ」を両立させることです。

1. お祝いらしい伝統色を活用:結婚式で古くから好まれてきた色を使えばまず間違いありません。具体的には、白と赤の組み合わせは定番のおめでたい配色です。紅白の水引はご祝儀袋にも使われるように、赤と白は祝いの場にふさわしい色です。また金色や銀色も華やかさと格調を演出できる伝統的な色です。例えば白い台紙に金箔押しの文字や模様をあしらった招待状は、上品で格式高い印象になります。

2. 季節感のある色:結婚式の季節に合わせて色を選ぶのもおすすめです。春婚なら桜のピンクやパステルカラー、夏婚なら空や海をイメージしたブルーやグリーン、秋婚なら紅葉を思わせるオレンジやボルドー、冬婚なら純白やシルバー、ゴールドなど、季節ごとのテーマカラーを一部に取り入れると招待状に統一感とドラマ性が生まれます。ただしあまりにも季節モチーフ一色にすると、時期が過ぎた後で手元に残った際に浮いてしまうこともあるので、ベースはシンプルに、アクセントとして季節の色を使うと良いでしょう。

3. ウェディングテーマに合わせる:披露宴のテーマや会場装飾の色合いと招待状の色調を揃えると、ゲストに統一感ある印象を与えられます。例えばテーマが「ナチュラルウェディング」ならグリーンやアースカラー系、和婚なら白地に紅や金の和模様、ナイトウェディングならネイビー×ゴールドでシックに、ディズニーテーマなら淡いブルーやドレスの色に合わせたカラーなど、結婚式全体のテーマカラーを招待状にも反映させましょう。ただし前述のとおり、黒主体・暗すぎる配色だけは避けてください。テーマによっては黒を使いたい場合も、必ず別の華やかな色と組み合わせて重たくならないように工夫しましょう。

4. 相手に配慮した色使い:招待状の色選びでは自分たちの好みだけでなく、受け取るゲストのことも考えるのが大人の気配りです。年配の方には奇抜すぎる配色やネオンカラーは驚かれるかもしれませんし、会社の上司にはあまり可愛らしすぎるデザインよりも落ち着いた色合いのほうが安心です。また、文字色は黒系を基本に可読性を重視しましょう。カラフルな文字はポップですが正式な案内状には不向きです。どうしてもカラーの文字を使いたい場合は、差し込みのメッセージカードなどカジュアルな要素に留め、本状では黒ないし濃紺など落ち着いた色で印刷することをおすすめします。

色と併せて注意したいデザイン要素

招待状全体の印象は色だけでなく、図柄やモチーフによっても左右されます。色選びと同時に気をつけたいデザイン上のポイントも確認しておきましょう。

  • 不吉なモチーフは避ける:色ではありませんが、デザインに使うモチーフ選びも重要です。例えば結婚式では「終わり」を連想させるもの(割れたリングやハサミなど刃物、切れた糸など)はタブーです。同様に「死」や「別れ」をイメージさせる動植物(百合の花(葬儀で用いられる)やカラスなど)は避けるのが無難です。一方で縁起の良いモチーフ(鶴や亀、松竹梅、鳩、ハートなど)は取り入れると招待状らしい華やぎが出ます。
  • 可読性を損なう装飾はNG:背景色と文字色のコントラストが弱いと文字が読みにくくなってしまいます。淡いクリーム色の紙に薄い黄文字、白地に銀色の文字などは高齢のゲストには判読しづらい場合があります。デザイン性も大事ですが、情報を正確に伝えるツールであることを忘れずに、可読性は最優先しましょう。
  • 同封物との色バランス:招待状一式には封筒、台紙、返信ハガキ、挨拶状(場合によっては)など複数のペーパーアイテムが含まれます。全てのアイテムで統一感が出るよう、色のトーンやモチーフを揃えると美しく仕上がります。封筒の色が台紙とちぐはぐにならないよう事前に組み合わせを確認しましょう。例えば封筒が淡い色なら台紙も近い系統の淡色でまとめ、封筒を濃紺にするなら台紙は白やクリームで文字を紺インクにする等、バランスを取ります。

まとめ:色選びで招待状に心を込めて

結婚式招待状の色選びは、単なるデザイン上の好みだけでなく、ゲストへの配慮や日本のしきたりへの理解も反映させることが大切です。避けるべき色選びたい色のポイントを押さえた上で、お二人の個性やテーマが感じられる配色を考えてみましょう。色遣いに気を配った招待状は、受け取ったゲストにとっても「さすが」と感じる心のこもった一通になります。ぜひ今回紹介したポイントを参考に、祝福の気持ちが伝わる素敵な招待状を作成してください。

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Profileこの記事を書いた人

鈴木彩花

■勤務先
都内有名ホテルのブライダル部門

■経験年数
プランナー歴9年(年間担当挙式数20〜30件)

■人物像
・穏やかで丁寧なコミュニケーションが得意。
・マナーや礼儀作法に関する知識が豊富で、特に招待状や席次表などゲストへの配慮を重視。
・トレンドにも敏感で、新郎新婦の理想を的確に理解し具現化する提案力に定評。

■得意分野
・フォーマルかつ洗練された挙式スタイルを実現するプランニング。
・細かな配慮を必要とする年配や職場関係のゲスト対応。
・色やデザインなど、新郎新婦の好みやマナーを考慮した細部へのアドバイス。

■サポートスタイル
・新郎新婦が迷った際には、的確で具体的な選択肢を提示し判断を助ける。
・ネット上の情報との整合性も確認し、新郎新婦の疑問や不安を解消。
・SNSやトレンド情報も積極的に取り入れつつ、ゲストの視点も忘れない。

■対応姿勢
・常に新郎新婦の意向を尊重しつつ、プロとしての提案を明確に伝える。
・準備段階から式当日まで一貫して、安心感のあるサポートを提供。
・マナーやエチケットに関する質問には、根拠と理由を明確にして回答する。