後悔しない司会者の選び方:プロが教える相性チェックのポイント

こんにちは、司会者の鈴木絵里です。結婚式の司会者を誰に頼むかは、式の満足度を大きく左右する重要な決定事項です。「せっかく外注するなら、自分たちにピッタリの司会者にお願いしたい!」と誰もが思うでしょう。ここでは司会者の選び方と、事前に確認しておきたい相性チェックのポイントについて、プロの視点からアドバイスします。
会場手配と外部司会者、まずはスタンスを決めよう
司会者選びの前提として、まず式場提携の司会者に任せるか、外部から自分たちで探すかを決める必要があります。多くの式場では、プラン内またはオプションでプロの司会者を紹介してくれます。提携司会者は会場のことをよく知っている安心感がありますが、選択肢が限られ、自分たちで指名できないこともあります。一方、外部からフリーの司会者を持ち込みで依頼すれば、自分たちの好みに合った人を探せるメリットがあります。ただし持ち込み料が発生したり、持ち込み自体NGの会場もあるため事前確認が必要です。
この記事では主に「自分たちで司会者を探す・選ぶ」場合を想定して話を進めますが、式場紹介の司会者であっても、打ち合わせ時にしっかり希望を伝えるなど選び方の基本は共通する部分があります。ぜひ参考にしてください。
司会者選びで重視したいポイント
それでは具体的に、司会者を選ぶ際にチェックすべきポイントを挙げてみます。
1. 声の印象・話し方:司会者の声質や話し方の雰囲気は披露宴の印象に直結します。落ち着いた低めの声だと式全体が厳かな雰囲気になりますし、明るくはきはきした声なら華やかなパーティ感が出ます。また男性司会者と女性司会者でも印象は変わります。それぞれに良さがありますが、「自分たちの式の雰囲気に合う声かどうか」を重視しましょう。実際に会って会話する際には、声のトーンだけでなく話すテンポや言葉遣いも確認してみてください。聞き取りやすいか、緊張感を和らげてくれるような喋りかたか、といった点も重要です。
2. 経験と実績:その司会者がどのくらい結婚式司会の経験があるかも大切なポイントです。一般のイベントやアナウンスの経験が豊富でも、結婚披露宴の司会は経験が少ないという方もいます。過去に何組くらいの結婚式を担当したか、どんな規模・形式の式を経験しているかを聞いてみましょう。例えば100名規模のホテル婚が得意な人もいれば、少人数のレストランウェディングに慣れている人もいます。自分たちが予定している式と近い経験を持つ司会者なら、当日の進行も安心して任せられるでしょう。逆に経験が浅い場合は、事前打ち合わせを綿密にすることでカバーできるかもしれませんが、その分あなた方のサポートも必要になります。
3. 人柄・相性:司会者とは打ち合わせを含め何度か接する機会がありますが、やはり人としてフィーリングが合うかは見逃せません。プロの司会者は基本的にどんな雰囲気にも合わせて進行してくれますが、それでも各人の持ち味や得意なカラーは異なります。実際に話してみて、「この人になら自分たちの大事な式を任せてもいい」という安心感を持てるかどうかを大切にしてください。例えばユーモアたっぷりの雑談で盛り上げてくれる司会者もいれば、終始礼儀正しく丁寧な対応をしてくれる司会者もいます。あなた方が「この人と一緒に準備を進めたい」と感じられるかが重要です。
4. 進行スタイルの柔軟性:演出へのこだわりやイレギュラーなお願いに対して、どの程度柔軟に対応してくれそうかも確認しましょう。例えば「サプライズで〇〇な演出をしたい」「新郎新婦自ら司会台本の一部を指定したい」といった要望に対し、快く協力してくれるか、経験を踏まえてアドバイスをくれるかなど、その姿勢を見ることでその司会者の仕事観がわかります。打ち合わせの段階で、こちらの提案に対してあまり乗り気でなかったりコミュニケーションが噛み合わないと感じた場合、当日も同じようなズレが生じる可能性があります。
5. 口コミや評価:前の記事でも触れましたが、候補の司会者に関する口コミがあれば目を通しておきましょう。過去の新郎新婦から「○○が良かった」「○○はちょっと残念だった」といった具体的な声があれば、それも踏まえて質問してみると良いです。ただし口コミは万能ではないので、あくまで参考程度に。最終的には自分たちの目と耳で確かめた印象を信じましょう。
相性チェックはここで見極める
司会者との初回打ち合わせや事前相談の際は、ぜひ以下の点に注意してみてください。
- コミュニケーションの取りやすさ:こちらの話を親身に聞いてくれるか、質問に的確に答えてくれるかを見ます。話しやすいと感じる相手であれば、準備もスムーズに進むでしょう。
- 提案力:自分たちが漠然とした希望を伝えたとき、「それならこんな演出はいかがですか?」といった具合に具体的な提案をしてくれる司会者は頼もしいです。経験があるからこそできる提案をもらえると、「さすがプロだな」と感じますし信頼できます。
- こちらの意向尊重:逆に、こちらの希望をあまり聞かず一方的に持論を押し付けてくるような場合は注意です。もちろんプロの観点からアドバイスしてくれるのはありがたいのですが、あくまで新郎新婦の意向を尊重しようという姿勢が見られるかどうかをチェックしましょう。
- 身だしなみや礼儀:打ち合わせ時の服装や言葉遣いも、人柄を判断する材料になります。結婚式当日はゲストの前に立つ存在ですから、社会人としてのマナーがしっかりしているかどうかは大切です。
そして何より、「この人になら任せたい」という直感も大事にしてください。私のところにも何人もの新郎新婦が事前相談にいらっしゃいますが、最終的には「鈴木さんの雰囲気が私たちに合いそうだからお願いしたい」と決めてくださることが多いです。もちろん費用面や実績も判断材料ではありますが、相性というのはお金には代えられない部分です。
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どうしても合わないと感じたら…
もし打ち合わせを進める中で「ちょっとこの司会者さん、自分たちとは合わないかも…」と感じたら、早めに手を打ちましょう。式場経由で依頼している場合はプランナーに相談すれば変更が可能なこともあります。外部の司会者紹介会社を利用しているなら、担当者に正直な感想を伝えて別の候補を提案してもらうのも一つです。せっかくお金をかけてお願いするのですから、納得いかないまま当日を迎えて後悔するのは避けたいですよね。
私自身、過去に一度だけ新郎新婦から交代希望を出されたことがあります(幸いまだ契約前の打ち合わせ段階でした)。ショックでしたが、「もっと明るい雰囲気の司会者が良い」と言われ、その会社の別の方に引き継いだ経験があります。それ以来、最初のヒアリング時にはできるだけお二人の希望のテイストを詳しく伺い、自分の進行スタイルも正直にお伝えするようにしています。それでも合わないと感じる場合は無理に受けるより、他の司会者を紹介する方が結果的に皆ハッピーになります。
遠慮は無用ですので、どうしても気になる場合には早めにアクションを起こしましょう。挙式直前になると変更不可の場合もありますから、遅くとも結婚式の1ヶ月くらい前までには見極めたいですね。
信頼できる相手に大役を託そう
結婚式司会者の選び方で悩んだら、「声」「経験」「人柄」という基本ポイントをチェックしつつ、最終的には自分たちとの相性を重視しましょう。事前の打ち合わせや会話の中で、「この人なら自分たちの想いを汲んで最高の式にしてくれそうだ」と感じられれば、その直感を信じてOKです。一方で少しでも不安が残るなら遠慮なく相談し、他の選択肢を検討してみてください。結婚式当日は司会者に進行を任せる時間が長くなります。心から信頼できる相手に大役を託し、当日は新郎新婦自身が思いきり楽しめるように準備を進めましょう。
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Profileこの記事を書いた人
■居住地
東京都
■職業
フリーランスの司会者(MC歴10年)
■経歴と特徴
・司会者としての経験は300組以上。
・ラジオパーソナリティやイベントMCとしても活動経験あり。
・声のトーンは落ち着いており、聞き取りやすく明瞭。
・明るく穏やかな性格で、笑顔が印象的。
■得意なスタイル
・「洗練されたナチュラル感」のある結婚式を得意とする。
・ゲストがリラックスできる空気感を作りつつ、適度なユーモアを交えて会場を盛り上げる。
・新郎新婦の希望をしっかり取り入れ、オリジナリティを尊重した進行。
・臨機応変な対応力に優れ、予定外のトラブルにも柔軟に対処可能。
■価値観・サービスの姿勢
・事前打ち合わせに重点を置き、新郎新婦の人柄や思いを深く理解することを重視。
・式の演出や進行に関して積極的にアドバイスを行い、安心感を与える。
・常にゲスト視点を意識し、新郎新婦だけでなく参加者全員が満足できる進行を心がけている。
■集客方法・強み
・多くの口コミや紹介によって信頼を得ている。
■新郎新婦との相性ポイント
・丁寧で落ち着いたコミュニケーションが特徴のため、品の良い雰囲気を希望する新郎新婦と好相性。
・オリジナル感や手作り感を重視するカップルの気持ちを汲み取りつつ、洗練された空間作りに協力できる。