プロ司会者が語る!結婚式当日の流れと司会進行の裏側

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こんにちは、司会者の鈴木絵里です。ここでは結婚式当日に司会者がどのように動き、披露宴を進行しているのかを解説します。司会者を外注するカップルの中には、「当日ちゃんと進行してくれるかしら?」「司会者って裏で何してるの?」と不安に思う方もいるでしょう。私の当日の仕事ぶりを例に、披露宴当日の流れと司会者の役割をご紹介します。

披露宴開始前:事前準備と最終打ち合わせ

結婚式当日、司会者は披露宴開始の約1時間前には会場入りします。まずは会場スタッフやウェディングプランナーと最終打ち合わせを行い、その日の進行台本やタイムラインを再確認します。ここで新郎新婦から直前に共有された情報(ゲストの欠席連絡やサプライズ演出の変更など)があればプランナー経由で知らされ、台本に反映します。

続いて、音響・照明スタッフとも打ち合わせ。新郎新婦が選んだBGMのスタートタイミングや、スポットライトを当てる瞬間(例えばケーキ入刀や再入場のタイミング)について共通認識を持ちます。司会者は控室でマイクテストも行い、自分の声量や音質が会場のサイズに適切か確認します。会場によってマイクの反響具合は様々なので、プロの司会者は本番前に必ず声を出してチェックし、音響さんにリクエスト(「少しハウリングしそうなので音量下げてください」等)を伝えます。

開宴直前、新郎新婦とは挙式後か披露宴前のタイミングで軽く顔合わせをします。緊張されている二人に笑顔で声を掛け、進行は任せてくださいとお伝えします。新郎新婦入場直前には私から「いよいよご入場です、楽しんでいきましょう!」とお声掛けすることも。こうしたちょっとしたコミュニケーションで、二人の表情がほぐれることもあります。

ちょっとしたコミュニケーション

披露宴中:司会者はこう進行します

披露宴が始まったら、司会者の役目は円滑な進行雰囲気づくりです。具体的には、以下のような流れで進めます。

  • 開宴の辞・プロフィール紹介:ゲストに着席を促し、いよいよパーティー開始です。マイクを持って「これより披露宴を開宴いたします」と開会を宣言します。その後、新郎新婦の入場を誘導し(BGMとのタイミングを計りながら)盛大な拍手をお願いするところからスタートします。
  • 主賓挨拶・乾杯:主賓の紹介をし、マイクを渡します。挨拶後は乾杯の発声者をご案内して乾杯のカウントを行い、宴のスタートです。
  • 歓談中の進行:ゲストがお食事や歓談を楽しむ間にも、司会者は控えず動いています。予定されたスピーチ余興の順番になれば、そのアナウンスと紹介を行います。例えば「それでは、新婦ご友人の〇〇様よりご余興のビデオメッセージです」といった具合です。映像が流れている間は一息つけますが、同時に次の進行の準備もしています。
  • 中座(お色直し退場):新郎新婦が中座する際には、そのエスコート役となる方(例えばお母様や兄弟姉妹)の紹介文を読み上げ、感動的なシーンを演出します。退場後、ゲストにはプロフィールムービーなどを見ていただく間、司会者は再入場の準備タイミングをスタッフと綿密に連絡を取り合います。
  • 再入場・余興紹介:再入場の合図を出し、キャンドルサービスやフォトラウンドなどがある場合はその説明と進行補助を行います。その後、友人による余興パフォーマンスがあれば、その紹介と誘導です。余興中は予定時間内に終わるか気を配り、長引きそうなら演者にアイコンタクトでサインを送るなど、時間管理にも努めます。
  • クライマックス:やがて披露宴も結びに近づき、新婦から両親への手紙朗読、記念品贈呈、両家代表謝辞、新郎謝辞と続きます。司会者は手紙のシーンでは必要最低限のナレーション(「ここで新婦〇〇さんより、ご両親へのお手紙です」など)のみに留め、じっと見守ります。謝辞が終わると、いよいよお開きです。
  • 閉宴の辞・送賓案内:全てのプログラム終了後、司会者が「以上をもちまして本日の披露宴はお開きとなります…」と閉宴を宣言します。そしてゲストのお見送り(送賓)の案内をして式はお開きとなります。

以上が典型的な披露宴の流れですが、その裏側で司会者は常に時計と睨めっこしながら進行しています。プロの司会者にとって最も重要な役割は、予定時間内にすべてのプログラムを収めるタイムスケジューリングです。会場の使用可能時間を考慮し、料理のサービスやゲストのトイレ離席なども見計らいながら、各シーンの長さを調整します。また、予定外のハプニングが起きた場合には即座に判断し、別の演出を先に振る、トークでつなぐなどの臨機応変な対応をします。例えばスピーチをする方が酔って話が長引きそうなときは、それとなく促して終わりに導く、といったテクニックも必要です。

実際の披露宴では、写真のように司会者(写真左・マイクを持っている男性)がケーキ入刀のシーンで場を盛り上げたり、ゲストへ撮影のタイミングを伝えたりしています。ケーキ入刀やファーストバイト(新郎新婦がケーキを食べさせ合うセレモニー)の際には、「それではここで、世界で一番甘いおふたりの初めての共同作業です!」などと声を掛け、スポットライトとBGMを演出スタッフと同期させて盛り上げます。こうした一瞬一瞬の演出も、裏で司会者がタイミングを図っているのです。

終宴後:司会者のアフターフォロー

全ての進行を終え新郎新婦がお見送りに立たれた後、司会者の役割も終了です。私は毎回、新郎新婦がお開き後に控室へ戻ってこられた際、「本日は誠におめでとうございます!」と改めてお祝いと労いの言葉をお伝えするようにしています。そして「お二人の大切な一日をお手伝いできて光栄でした」とお礼を伝えます。

式が終わったあと、司会者にとって何より嬉しいのは新郎新婦やご家族からの「いい式になったよ」「〇〇さんに頼んで良かった!」というお言葉です。司会者として最高のやりがいを感じる瞬間でもあります。また、式場スタッフとも簡単に反省点などを共有し、今後に活かすようにしています。プロとして常に学び、次の結婚式に備えることも大事な仕事の一部です。

当日は司会者に任せて楽しもう

結婚式当日、プロの司会者は新郎新婦やゲストが安心して式を楽しめるよう細心の注意を払いながら進行しています。開宴前の準備からお開きまで、陰ながら式全体を支える縁の下の力持ちです。プロの司会者は黒子に徹しながらも、常に最高の進行を実現するために奔走しています。当日は司会者に進行を任せることで、新郎新婦のお二人はぜひ自分たちの結婚式を存分に楽しんでください。当日はあっという間に過ぎていきます。経験豊富な司会者なら、時間管理やハプニング対応も含め万全の体制で臨んでいますので、わからないところで気を揉む必要はありません。司会者と二人三脚で創り上げた進行プランに沿って、笑顔いっぱいの一日を過ごしましょう。

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Profileこの記事を書いた人

駒鳥 絵里

■居住地
東京都

■職業
フリーランスの司会者(MC歴10年)

■経歴と特徴
・司会者としての経験は300組以上。
・ラジオパーソナリティやイベントMCとしても活動経験あり。
・声のトーンは落ち着いており、聞き取りやすく明瞭。
・明るく穏やかな性格で、笑顔が印象的。

■得意なスタイル
・「洗練されたナチュラル感」のある結婚式を得意とする。
・ゲストがリラックスできる空気感を作りつつ、適度なユーモアを交えて会場を盛り上げる。
・新郎新婦の希望をしっかり取り入れ、オリジナリティを尊重した進行。
・臨機応変な対応力に優れ、予定外のトラブルにも柔軟に対処可能。

■価値観・サービスの姿勢
・事前打ち合わせに重点を置き、新郎新婦の人柄や思いを深く理解することを重視。
・式の演出や進行に関して積極的にアドバイスを行い、安心感を与える。
・常にゲスト視点を意識し、新郎新婦だけでなく参加者全員が満足できる進行を心がけている。

■集客方法・強み
・多くの口コミや紹介によって信頼を得ている。

■新郎新婦との相性ポイント
・丁寧で落ち着いたコミュニケーションが特徴のため、品の良い雰囲気を希望する新郎新婦と好相性。
・オリジナル感や手作り感を重視するカップルの気持ちを汲み取りつつ、洗練された空間作りに協力できる。