「厳粛な雰囲気で誓いを結びたい」そんなふたりにオススメな寺婚の魅力とは?
昨今になり、結婚式を実施できる場所は多様化しています。従来のホテルや結婚式場、レストランを筆頭に美術館や博物館などでも開催が叶うようになりました。さまざまな場所で結婚式を挙げられると今は、個性を大切にしている風潮が浸透しているからだといるでしょう。
そんな中、レトロ婚の人気も加わり、昔ながらの結婚式スタイルにも再び注目が集まりつつあります!そこで今回は、お寺を舞台にした結婚式を「寺婚」とネーミングし、その魅力について深掘りしていきます。
お寺の厳粛な雰囲気は、他では味わえない最高のロケーションです。和装を着たい!と思う方や、個性的な結婚式を実施したいと考えている方におすすめできる挙式スタイルだといえます♪
ぜひ最後まで読んでみて下さいね!
結婚式スタイルは3つではなく4つ!?
結婚式のスタイルを聞かれて、思い浮かぶものは式場のチャペルや教会での「教会式(キリスト教式)」や「人前式」、神社で行う「神前式」の3つのスタイルではないでしょうか。
実は、この3つのスタイルに加え、仏さまに結婚することを報告する「仏前式」があるのです!そのため、結婚式のスタイルは、実は4つなのです。
お寺は葬儀や法事を執り行う場所とイメージされがちですが、実は結婚式が叶うとは少し驚きですよね。
仏前式は4つのスタイルの中でも経験者が少ない
仏前式は、神前式と共に古くから実施されてきた結婚式スタイルですが、現代ではなかなか馴染みがありません。そのため4つの結婚式スタイルの中で最もマイナーな挙式スタイルだと言っても過言ではないでしょう。
このことは、ゼクシィ結婚トレンド調査2019調べにおける「仏前式を実施した先輩花嫁」は全体の0.5%だったことからも感じられます。ゼクシィ結婚トレンド調査に回答したは方は、5147人だっため全体の内25.7人が仏前式を経験した結果となっています。
一番人気の教会式(キリスト教式)は全体の52.2%という結果であり、その差は歴然です。
しかし!マイナーなスタイルということは、他の花嫁さまとかぶる心配が単純に減るということ。自分たちらしい結婚式を求めている方には、もってこいの挙式スタイルだといえます。
仏前式とはどんなもの?
では、早速仏前式の魅力について深掘り!といきたいところですが、簡単に仏前式とはどんなものかをご紹介していきましょう。
仏前式の特徴
仏前式とは、その名の通り「仏(ほとけ)の前に誓いを立てる結婚式」のことです。仏教の視点から、新郎新婦の結婚をみた場合「2人の結婚は前世からの因縁であり、先祖の慈悲により得られたご縁」だと考えられます。そのため、仏前で仏様はもちろん、ご両家のご先祖様に結婚することを報告。さらに感謝の気持ちも添え、来世までの結びつきを誓うのです。
今結婚するという「現世での結びつき」だけでなく、来世も一緒に居たいと願う「来世での結びつき」を重要視していることが仏前式ならではの特徴です。
仏前式の進行例
1)参列者入堂
新郎新婦の両親を含む親族一同が会場となる場所へ入堂します。本尊があるお堂で開催されることが多く、本尊にむかって右が新郎側、左が新婦側となります。
2)新郎新婦入堂
新郎新婦が揃って入堂し、正面に着座します。
3)僧侶入堂
仏前式の司式者はお寺の住職などの僧侶です。僧侶が入堂したあとは、焼香をし、一同は合掌します。
4)敬白文(けいはくぶん/けいびゃくもん)朗読
本尊に向かい、僧侶が「これから結婚式を行うこと」を報告。この時一同は起立し拝聴します。
5)念珠授与
僧侶が仏前に供えた二つの念珠のうち、1つ(白房の念珠)を新郎に、もう1つ(赤房の念珠)を新婦に授けます。新郎新婦は、左手の親指以外の四指に念珠をかけて合掌します。
6)司婚の辞
僧侶が新郎新婦に結婚後の苦楽を共にする誓いを問いかけ、新郎新婦が返答します。これが結婚の誓いとなります。
7)焼香
新郎、新婦の順で焼香を済ませます。
8)誓いの杯
神前式の三三九度と同様の儀式です。新婦→新郎の順で杯に口をつけ、参列者一同で「親族固めの盃」を交わします。
9)法話
僧侶が新郎新婦に向け祝福の言葉を述べます。仏教の教えやお釈迦様が残した言葉の一説を語りかける場合もあります。
10)退堂
僧侶や新郎新婦・列席者も退堂し、結婚式は閉式します。
なお、仏前式は宗派により流れに若干の違いがあるだけでなく、新郎新婦が誓いの言葉を述べたり、指輪の交換、婚姻届のサインなどを進行に加えている場合もあります。詳しい流れは、結婚式を挙げたいと考える寺院で確認しましょう。
★Masak的 寺婚のここが魅力★
では元プランナーであるMasakが考える寺婚の魅力をご紹介していきましょう!
1)和風の極みを体験できる
寺婚を挙げるときは、神前式同様に白無垢を着用します。和装を着用したい希望の方にはピッタリですね。
さらに日本人にとって仏教はキリスト教よりも身近なもの。葬儀はもちろん、法事やお盆、お彼岸や除夜の鐘付きなども仏教ならではの行事です。仏教を熱心に信仰していない場合でも、寺婚の実施は叶うことも嬉しいポイントで、ふたりが結ばれた「ご縁」をご先祖様に報告する寺婚は、和の極みを体験する時間だといえますね。
2)ロケーションが最高に良い◎
お寺には素敵な庭園があることが多く、どの場所もキレイに手入れが成されていることがほとんどです。こういった和のロケーションは、他ではなかなか味わえない空間。最高のロケーションだといえるでしょう。
挙式時はもちろん、写真撮影などで庭園を利用できればスタジオ写真以上の一枚がのこ競られることと思います。
3)他の人との違いを演出
冒頭で紹介したとおり、仏前式を経験している新郎新婦さまは全体の0.5%とごく少数。この数字は全国の平均のため、1%という地域があるものの少数派という意見に代わりはないといえるでしょう。
そのため、他の人との違いを十分に演出することが叶うのです。しかし、自分らしさに注目があつまる昨今ですから、寺婚にもひそかに人気が高まりつつあるといえます。個性を先取りし、他の人との違いを楽しめることも寺婚ならではの魅力です。
4)お寺はいつでも立ち寄れる
お寺は「どんな時でも立ち寄ることが叶う」ことも寺婚の魅力。結婚式場だと,結婚式の時にしか出向く事が叶いませんが、お寺は違います。心を落ち着かせたいと思うときや、何かを決意したときなど、節目となるタイミングに立ち寄ることが叶うのです。
立ち寄った際は結婚式の一日を思い出し、新しいスタートがきれるのではないでしょうか。
※寺婚開催の注意点※
和の極みが体験できる魅力をもつ寺婚ですが、申込み前に注意しておくほうがいいポイントもあります。自分たちはもちろん、ゲストにとってもトラブルは避けたい事項のため、思い出深い一日をより満足いく時間にできるよう、事前の準備も入念に進めることが大切です。
宗派が異なる場合に注意
寺婚申込みの前は、両家の宗派を確認しておく必要があります。中には「宗派が全く違う」ケースもあり、「家の宗派と違うお寺での結婚式はNG」とご両親からの許可が得られない場合もあります。
友人の参列は叶わない
寺婚の舞台となるお寺の考え方により異なるとはいえ、寺婚への参加は親族のみというケースが主です。そのため友人が参加できないことは念頭に置いておきましょう。
これは、ご友人が両家のご先祖様と直接の関係がないことに理由があります。
移動が困難な場合も
新郎(もしくは新婦)家の菩提寺を舞台に寺婚を挙げたい意向も十分に理解できますが、中には車が履行できないような場所に立つ寺院が菩提寺というケースも考えられます。
親族が参列することを考え、バスが入ったり自家用車の駐車場があるなど、ゲストの移動問題を回避できるかどうかチェックしておきましょう。
持ち物を周知する必要がある
寺婚の経験者が少ないということは、列席した経験があるかたも少数ということ。そのため、持ち物がわからないケースは考えられます。
- 焼香があるため数珠が必要
- 正座しやすい服装がベスト
- 香水は避けて欲しい(焼香があったり、お香を焚くため)
など、列席者が戸惑わないよう、持ち物などの情報を共有しておきましょう。
寺婚に対応している東京の寺院例
実際に寺婚を開催している寺院を東京中心に紹介していきます!もちろん全国にも寺婚を挙げられる寺院はあるため、気になる寺院には直接問い合わせてみて下さいね。
増上寺(ぞうじょうじ)
徳川家の菩提寺として多くの人々に親しまれている、東京都港区にある増上寺。本尊に阿弥陀如来を祀り、浄土宗の殿堂に位置する歴史のあるお寺です。
そんな増上寺では「浄土宗の教えを元に、これからの人生を歩んでいく」ことを本尊に誓う寺婚を実施しています。
ただし!
- 浄土宗ではない宗派を信仰している方
- 阿弥陀さまとのお誓いができない方
などは増上寺での寺婚が叶わないケースが考えられます。注意しましょう。
善國寺(ぜんこくじ)
開運・厄除けのご利益があることで知られる毘沙門天を祀る善國寺。東京都新宿区の神楽坂にあり江戸時代より「神楽坂の毘沙門様」と親しまれている寺院です。
そんな善國寺も、寺婚が挙げられる都内の寺院。境内をバックに記念撮影が映えることも善國寺の魅力だと言えるでしょう。受付は随時行われているため、問い合わせやすいことも魅力です。
《Masakからのアドバイス》
お寺というと、お葬式や法事が行われる場所というイメージが強く「結婚式が挙げられるの!?」と驚かれた方も多いことと思います。もちろん私もその一人。神社での結婚式はイメージできましたが、お寺での結婚式はまったく想像がつきませんでした。
しかし!現役時代に時期ご住職という新郎様とお話しさせて頂いたご縁がきっかけで、寺婚はとても奥深く、日本人らしい結婚式なのだなと痛感した思い出があります。
寺婚は、注目が集まりつつある結婚式スタイルとは言え、まだまだ知名度は低め。実際に寺婚を経験した先輩花嫁さまも少ない事が現状です。そのため、他の方との差は歴然!より思い出深い新生活の門出をお寺で迎えてみませんか!?ご友人を招けないことや、持ち物に注意することなどをゲストと共有し、奥深い時間をぜひ味わってみて下さいね!
Profileこの記事を書いた人
「人の笑顔に多く出会いたい」と思った学生時代。アルバイトとして婚礼会場のサービススタッフを経験したことで「私のイメージしている世界はここだ!」とウェディングプランナーになることを決意しました。
その後は、ウェディング系の専門学校を卒業し、ゲストハウスとホテルでウェディングプランナーに全力投球!新郎新婦さまたちの「ありがとうの涙」に出会えることが本当に幸せだと感じた現役時代でした。
自分自身の結婚に伴い、現在は現場から離れていますが結婚式が大好きな気持ちに変化なし!ウェディングライターとして結婚式の基本知識や定番演出、トレンド情報などを発信しています。
好きなことは読書とお菓子作り。
プランナー駆け出しの頃から「実るほど頭をたれる稲穂かな」をモットーに、何事も初心を忘れず学びの姿勢を大切にしています。