親が離婚している場合の結婚報告:伝え方と配慮のポイント

こんにちは、ブライダルプランナーの橘さおりです。お二人はもしかすると「うちの親、離婚して別々に暮らしているけど、結婚の報告ってどうしたらいいの?」と心配しているようですね。両親が離婚しているケースでは、確かに結婚報告の仕方にも少し工夫が必要になります。今日は親御さんが離婚している場合の結婚報告について、気をつけたいポイントを一緒に考えていきましょう。
離婚家庭ならではの悩みとは?
両親が離婚している場合、通常のケースとは違った悩みが出てきます。例えばご両親は10年前に離婚し、お母様と暮らしている、という方の場合を考えてみましょう。お父様とも連絡は取っており仲は悪くないものの、お父様自体はお母様とは顔を合わせたくない関係です。このような状況で、
- 「どちらに先に報告すべき?」
- 「一方に報告したら、もう一方が寂しく思わないかな?」
- 「顔合わせや結婚式で2人を同席させても大丈夫?」
など、様々な不安が出てくるのも無理はありません。
離婚家庭ならではの一番のポイントは、親御さんそれぞれに別々に対応する必要があるということです。当たり前ですが、既に一緒に暮らしていないお二人に同時に報告することは難しいですよね。そのため、お母様にはお母様向けの報告、お父様にはお父様向けの報告を準備することになります。また、お二人の仲が悪い場合には、結婚の話題をきっかけに古いわだかまりが顔を出す可能性も…。そうした点も踏まえて慎重に進める必要があります。
基本は両方の親にしっかり報告する
離婚して別々に暮らしている親御さんへの結婚報告で大切な心構えは、たとえ離婚していても両方ともあなたの親であることに変わりはないということです。どちらか一方だけに報告して済ませるのではなく、できる限り両方の親御さんに直接報告するようにしましょう。お世話になった度合いや今の関係性はそれぞれ違うかもしれませんが、人生の大きな節目の報告を受ければ、どちらの親御さんもきっと嬉しいはずです。
もちろん中には「もう何年も会っていない親には知らせたくない」というケースもあるでしょう。虐待など特殊な事情で絶縁している場合は無理に伝える必要はありません。しかし、そこまでではないなら、電話一本でも構いませんので自分から報告した方が後悔が少ないと私は思います。後から親御さんが噂や第三者経由で知ったら悲しまれるかもしれませんし、「なぜ教えてくれなかったんだ」とトラブルになる可能性もあります。直接でなくとも、手紙やメールなど何らかの形でお知らせすることをおすすめします。

別々に伝えるときのポイント
では、実際に両親へ別々に伝える際の具体的なポイントを見ていきましょう。
- 報告のタイミングを近づける: まず、どちらを先に伝えるか悩むところですが、基本的にはできるだけ近い時期に両方に伝えるようにしましょう。先に伝えた方から「もう片方には言ったの?」と聞かれることもあります。その際に「実はまだで…」となると、「自分は後回しなのかな?」と勘ぐられる恐れも。例えば今週末にお母様、来週末にお父様、といった具合に、あまり間隔を空けず段取りすると安心です。
- それぞれに直接会う機会を作る: 可能であれば、お母様にはお母様、お父様にはお父様と直接会って報告する場を設けましょう。同居している親御さんには日常の中で報告できますが、離れて暮らす親御さんには帰省するなどして時間を作ることになります。電話で済ませるより、顔を見て伝えた方が気持ちも伝わりますし、親御さんも喜ぶはずです。
- 内容に偏りを作らない: 両親それぞれに報告する際、伝える内容や熱量に差が出ないよう注意しましょう。例えばお母様には詳しく結婚相手のことを話したのに、お父様には「結婚するから」と一言で済ませてしまった…ということがないように。どちらにも誠実に、丁寧に報告することが大切です。特に、片方の親御さんと同居や頻繁に会う間柄だと情報量の差が出やすいので意識しましょう。
- パートナーにも協力してもらう: お二人で報告に行く場合、パートナーにも協力してもらうことになります。自分のお母様に報告するときは一緒に訪問し、次週に二人でお父様を訪ねる…といった形ですね。日程調整や段取りは二倍手間がかかりますが、そこは二人で力を合わせて乗り切りましょう。「手間はかかるけど、両方の親にちゃんと顔を見せて報告できて良かったね」ときっと思えるはずです。
親御さんそれぞれへの配慮
離婚されている親御さんに報告する際は、それぞれの親御さんの立場や気持ちへの配慮も忘れずに。以下にいくつか注意点を挙げます。
- 片方の親の前で他方の話題を出しすぎない: 例えばお母様に報告する場で「今度お父さんにも報告に行く予定なんだ」と伝えるのは問題ありませんが、「お父さんには〇日に会いに行って…」など詳しく話すと、お母様の心中が複雑になるかもしれません。逆もまた然りです。聞かれたら答える程度にして、深入りしないようにしましょう。
- 両親への感謝をそれぞれ伝える: 離婚しているとはいえ、自分を育ててくれた(支えてくれた)感謝の気持ちは、それぞれの親御さんにきちんと伝えたいですね。「お母さんがいつも支えてくれたおかげで◯◯さんと出会えたよ、ありがとう」「お父さんにも小さい頃から会うたびに大事にしてもらって、本当に感謝してるよ」など、それぞれに日頃言えない感謝を込めて報告すると、親御さんも胸がいっぱいになることでしょう。
- 再婚相手や家族への気遣い: もし親御さんが再婚して新しいパートナーがいる場合、その方への配慮も忘れずに。例えばお母様が再婚して継父がいるなら、お母様への報告の際に継父にも「いつも◯◯さん(お母様)がお世話になっています。◯◯さん(自分のパートナー)と結婚することになり、まずはお電話でご報告させていただきました。後日改めてご挨拶に伺わせてください」と挨拶をすると良いでしょう。お父様側にも同様に、同居のパートナーや新しい家族がいれば紹介してもらい、その方々にもお礼や今後のお願いを伝えると丁寧です。
- 結婚式や顔合わせの計画説明: 報告を受けた親御さんは、「では式はどうするの?」「○○(元配偶者)にも知らせるの?」など気にするかもしれません。現時点で決まっている範囲で構いませんので、今後の予定や考えを簡単に共有しておくと安心です。「顔合わせはお母さんとお父さん別々にしようと思う」「式にはお二人とも来てほしいと思っている」など、お二人の希望を伝えておけば、親御さんも心の準備ができます。特に両家顔合わせや結婚式で離婚した両親をどう扱うかはデリケートなので、早めに考えを伝えておくと良いでしょう。
顔合わせや結婚式はどうする?計画のコツ
離婚されている親御さんがいる場合、両家顔合わせ(両家の親同士の初顔合わせ)や結婚式の計画にも工夫が必要です。結婚報告と直接は関係しませんが、報告の段階で親御さんから質問や希望が出ることもありますので、簡単に触れておきますね。
- 両家顔合わせは無理に一堂に会さなくてもOK: 通常、結婚前に両家の親同士が顔を合わせる食事会などがあります。しかし、片方の親が離婚している場合、顔合わせは親御さんを別々に行うという選択も十分ありです。例えば最初に片方のお母様ともう片方のご両親で顔合わせ食事会、その後改めてお父様と片方のご両親で顔合わせ、といった具合です。一度に全員集めるとかえって気まずい雰囲気になるくらいなら、手間は倍ですがその方が双方にとって負担が少なくなります。私が担当したカップルでも、両家顔合わせを2回に分けて行ったケースがありましたが、結果的に和やかに進み「別々にして正解だった」とおっしゃっていました。
- 結婚式での席次配慮: 結婚式まで話が進んだ際には、披露宴でのお席の配置なども気を遣うポイントです。お父様とお母様を同じテーブルにしない、スピーチなど役割を公平に割り振る、写真撮影は個別にも行う…など、事前に配慮しておくと当日トラブルが起きにくいです。ただ、これらは結婚報告をした時点では決まっていないことがほとんどでしょうから、「式ではお互い気まずくならないよう席を離すつもりだよ」などと親御さんに伝えておくと安心されるかもしれません。
それぞれの親もあなたを思う気持ちは同じ
両親が離婚している場合の結婚報告について、ポイントをまとめました。大切なのは、お母様もお父様も、それぞれあなたの幸せを願っているということです。離れて暮らして久しくても、「結婚するよ」と聞けばきっと心から嬉しく思ってくれるでしょう。
最初は気遣いが多く大変かもしれませんが、お二人ならきっと大丈夫。誠実に丁寧に報告すれば、お母様もお父様も喜んでくれるはずですよ。「それぞれにちゃんと伝えられてほっとした」と思える日が来るよう、私も陰ながら応援しています。
離婚という過去の出来事にとらわれすぎず、前向きな気持ちで結婚の報告をしてくださいね。このご報告を機に、ご両親との絆がさらに深まることを願っています。お二人の幸せを、みんなできっと祝福できますよ!
関連記事
Profileこの記事を書いた人
橘 さおり(たちばな さおり)
■生まれた年
1987年
■性別
女性
■経歴・職歴
ブライダル業界経験15年。大手ホテルウェディングプランナーとして8年勤務後、現在は都内の独立系ウェディングサロンでチーフプランナーとして活躍中。これまでに500組以上のカップルを担当。
■性格・特徴
・穏やかで聞き上手。包容力があり、相談者に安心感を与える。
・細やかな気配りと的確なアドバイスが好評。相手の状況や感情に寄り添い、相手が求めている言葉を自然と引き出す能力を持つ。
■得意分野
・結婚準備のファーストステップ(親・職場・友人への報告や手続き)へのアドバイス。
・カップルそれぞれの性格や家族背景に合わせたオーダーメイドな提案。
・家族間の微妙な関係性や伝統的価値観など、デリケートな話題への対応。
■ライフスタイル
・夫と小学生の娘との3人暮らし。自身の経験からも、仕事と家庭の両立や親子関係への理解が深い。
・趣味は旅行、読書、カフェ巡り。プライベートで訪れた場所や経験を仕事に生かすことも多い。
■提供するアドバイス例
「ご両親への報告は、できるだけ早めに直接会って伝えると印象が良いですよ。その際には、今後のことをまだ決めていないことも正直に伝えて、両親にも意見を聞いてみましょう。」
「感謝の気持ちは具体的なエピソードを交えて伝えるとより伝わります。親御さんはお二人の成長を喜んでくれるはずです。」