婚約前に親に結婚報告はアリ?ベストなタイミングと伝え方ガイド

こんにちは、ブライダルプランナーの橘さおりです。正式に婚約(プロポーズ)する前に親に結婚の話を伝えるべきか悩んでいるようですね。最近は結婚に向けた手順も多様化しており、「親への報告はいつがいいの?」と戸惑うカップルも少なくありません。今回は、婚約前に親御さんへ結婚報告をする場合のメリット・デメリットや、ベストな伝え方について考えてみましょう。
「結婚報告」と「結婚挨拶」の違いとは?
まず整理しておきたいのが、「結婚報告」と「結婚挨拶」の違いです。簡単に言えば、以下のような項目です。
- 結婚報告: 結婚の意思が固まったことを親に伝えること(主に各自が自分の親に伝える)。
- 結婚挨拶: 結婚の了承を得るために相手の親を訪問して正式に挨拶をすること(婚約者と共に双方の親に挨拶する)。
結婚報告はカジュアルな電話や会話でも行われますが、結婚挨拶は改めて日程を調整し、訪問や両家顔合わせの場で行う正式なものを指します。
例えば、ご両親に挨拶に行く場合、事前に「結婚するつもりです」と報告しておいてもらうのが通常です。いきなり結婚挨拶の場で初めて「結婚します!」と切り出すと、ご両親は驚いて心の準備ができていないかもしれません。結婚挨拶(正式訪問)の前に、必ず各自の親へ結婚の意思を伝えておくことがマナーとも言えるでしょう。

プロポーズ前に伝えるメリット・デメリット
では、正式なプロポーズや婚約前に親御さんへ結婚の意思を伝える場合、そのメリットとデメリットは何でしょうか。
メリット
- 親御さんへの配慮と安心感: 特にお嬢様側の親御さんは、事前に「結婚したい方がいます」と知らせてもらえると安心する傾向があります。いわゆる「娘さんをください」という許しを得る伝統的なスタイルまではいかなくても、「親にもきちんと筋を通してくれた」という印象になり、好感度が上がるでしょう。
- 早期に理解と協力を得られる: 結婚の意思を早めに伝えておけば、親御さんも気持ちの準備ができますし、結婚準備についてアドバイスや協力をしてもらいやすくなります。「どうしてもっと早く言わなかったの?」と後から言われる心配もありません。
- 反対や懸念がある場合の早期対処: 万一親御さんが何か心配や反対を持つ場合でも、プロポーズ前に知ることで、お二人が対策を考える時間ができます。例えば「お相手とまだ会ったことがないから不安」ということであれば、正式な挨拶前に顔合わせの機会を作ることもできますよね。
デメリット
- サプライズ感が薄れる: プロポーズをサプライズで計画している場合、先に親に話してしまうとご本人(パートナー)に伝わってしまう可能性があります。親御さんがうっかり話してしまったり、秘密にしておく負担をかけてしまうことも。
- 結婚が確定ではない段階での報告リスク: まだ正式に婚約していない段階だと、「本当に結婚まで進むのかな?」と親御さんが半信半疑になることもあります。万が一計画が変わった場合に親御さんを落胆させてしまうリスクも考えられます。
- 親御さんによる過干渉の可能性: 早く知らせた分、親御さんが張り切っていろいろ口出ししてくることもあります。「式はこうしたら?」「あちらの親御さんにはこうしなさい」など、結婚準備に過干渉気味になる可能性もゼロではありません。嬉しい反面、お二人のペースで進めたい方にとっては負担になることも。

婚約前に報告するときのポイント
メリット・デメリットを踏まえつつ、「やはりプロポーズ前に親に伝えよう」と決めた場合の伝え方のコツをお話ししますね。
まず自分の親への伝え方ですが、ポイントは「まだ正式な婚約ではない」ことを明確にしつつ、真剣な意思を示すことです。例えばご両親に伝えるなら、
「実は◯◯さんと将来結婚したいと考えています。まだ正式に婚約したわけではないんだけど、二人の気持ちが固まったのでまず報告させてください」
といった形です。こう伝えれば、ご両親も心の準備ができますし、「正式な話はこれからなんだな」と認識できます。その上で「近いうちに◯◯さんとも挨拶に伺いたい」と添えれば、親御さんも具体的にイメージしやすくなるでしょう。
次に、お相手の親御さんへの報告について。これはケースバイケースですが、可能であればパートナーから自分の親に報告してもらい、その後一緒に挨拶に行くのが円滑です。例えば結婚を奥さんのご両親に婚約前に伝える場合、奥さんから「近々◯◯さんがお話があるそうです」と事前に話しておいてもらい、後日訪問または電話で「結婚を前提にお付き合いさせていただいています。ぜひ結婚を許していただきたく、改めてご挨拶に伺いたいです」と丁重に伝える、といった流れが考えられます。本来はプロポーズの後に揃って挨拶でも問題ありませんが、事前にそういったやり取りがあると、ご両親も驚かずに済みますし誠実な印象になりますね。
橘家(私の家族)の話になりますが、私の弟が結婚する際、弟はプロポーズ前に相手のお父様に挨拶をしていました。「ぜひ娘さんを僕にください」という、まさに昔ながらのお願いです。お相手のお父様も驚きつつ喜んでくださり、その後のプロポーズも滞りなく成功。両家の関係もとても良好に進みました。このように、事前に筋を通すことがプラスに働くケースもあるんですよ。
プロポーズ後に報告する場合の注意点
一方、「プロポーズが終わってから親に報告しよう」と考えるカップルもいます。これももちろん一つの選択です。プロポーズという大イベントをまずお二人の間で完結させ、その喜びをもって報告に臨みたいというお気持ち、よくわかります。では、プロポーズ後に報告する場合の注意点を確認しましょう。
- できるだけ早く伝える: プロポーズが無事成功し婚約したなら、できればその直後~数日以内には両家の親御さんに連絡しましょう。嬉しさのあまり友人にSNS等で報告したくなるかもしれませんが、親御さんには直接きちんと伝えるのが先です。あとから親御さんが「SNSで知った」なんてことになると悲しまれてしまいますよね。
- サプライズの場合のフォロー: サプライズでプロポーズをした(受けた)場合、親御さんには事前に何も知らせていなかったことになります。その際は「驚かせてしまってごめんなさい。でも、ぜひ喜んでほしいと思ってまずは二人の間で決めました」といったフォローの言葉を添えましょう。「勝手に決めて!」と怒っている風でも、内心はおめでたい話に胸を撫でおろしている親御さんも多いものです。きちんと謝意と報告をすれば大丈夫ですよ。
- 正式な挨拶の段取りを早めに: プロポーズ後に親御さんへ報告したら、次はできるだけ早く結婚挨拶(お互いの親に紹介)の日程を決めましょう。あまり間隔が空くと親御さんもヤキモキしてしまいます。「いつ挨拶に来るの?」と心配させないためにも、「◯月には伺いたいと思っています」と目安を伝えると親御さんも安心です。
結局いつが正解?お二人らしいタイミングで
「婚約前に報告」か「婚約後に報告」か、明確な正解はありません。実際、ゼクシィの調査でも「プロポーズ前に紹介した」カップルも「プロポーズ後に紹介した」カップルも多く存在しているそうです。大切なのは、お二人とご両親との関係性や価値観に合わせて、ベストだと思うタイミングを選ぶこと。
もし親御さんが保守的で「順序」を重んじるタイプなら、少し早めでも丁寧に報告しておく方が安心でしょう。逆にフランクなご家庭であれば、「二人のタイミングで決めていいよ」と言ってくれるかもしれません。ご両家の雰囲気を思い浮かべながら「うちの親ならどちらが嬉しいかな?」と考えてみてくださいね。
どちらを選ぶにしても、親御さんへの感謝と敬意を持って伝えることが一番のポイントです。お二人の誠意が伝われば、親御さんもきっと喜んでくれますよ。さあ、お二人らしいベストなタイミングで、明るい笑顔と共に結婚報告をしてみましょう!私も心から応援しています。
関連記事
Profileこの記事を書いた人
橘 さおり(たちばな さおり)
■生まれた年
1987年
■性別
女性
■経歴・職歴
ブライダル業界経験15年。大手ホテルウェディングプランナーとして8年勤務後、現在は都内の独立系ウェディングサロンでチーフプランナーとして活躍中。これまでに500組以上のカップルを担当。
■性格・特徴
・穏やかで聞き上手。包容力があり、相談者に安心感を与える。
・細やかな気配りと的確なアドバイスが好評。相手の状況や感情に寄り添い、相手が求めている言葉を自然と引き出す能力を持つ。
■得意分野
・結婚準備のファーストステップ(親・職場・友人への報告や手続き)へのアドバイス。
・カップルそれぞれの性格や家族背景に合わせたオーダーメイドな提案。
・家族間の微妙な関係性や伝統的価値観など、デリケートな話題への対応。
■ライフスタイル
・夫と小学生の娘との3人暮らし。自身の経験からも、仕事と家庭の両立や親子関係への理解が深い。
・趣味は旅行、読書、カフェ巡り。プライベートで訪れた場所や経験を仕事に生かすことも多い。
■提供するアドバイス例
「ご両親への報告は、できるだけ早めに直接会って伝えると印象が良いですよ。その際には、今後のことをまだ決めていないことも正直に伝えて、両親にも意見を聞いてみましょう。」
「感謝の気持ちは具体的なエピソードを交えて伝えるとより伝わります。親御さんはお二人の成長を喜んでくれるはずです。」