親への結婚報告ガイド:タイミング・方法・マナーまで徹底解説

こんにちは、15年以上ブライダル業界でプランナーをしている橘さおりです。これまで数えきれない新郎新婦の結婚準備をお手伝いしてきましたが、「親への結婚報告」に悩む方はとても多いです。人生の大きな節目を伝える大切なシーンだからこそ、「いつ・どのように伝えればいいの?」「失礼にならないマナーは?」「ちゃんと喜んでもらえるかな…」と不安になりますよね。
本記事では、そんなあなたの不安を解消し、「結婚報告 親」の検索意図にしっかり応える内容をお届けします。報告のタイミングや手段、伝え方のコツ、注意したいマナー、報告後の流れまで体系的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。実際の成功談・失敗談エピソードも交えながら、親御さんに安心して喜んでもらえる結婚報告のポイントを紹介していきます。
それではさっそく、本題に入りましょう。
親への結婚報告、なぜ大切?まず最初に伝えるべき相手
結婚が決まったら、真っ先に伝えたいのがやはり自分の親への結婚報告ですよね。特にお母さんやお父さんには一番に知らせたい、と考える方が多いでしょう。実際、ある調査では「最初に結婚の報告をした相手は自分の親」というケースが8割近くを占めています。親御さんからすれば、自分の子どもから直接結婚の報告を受けることは何にも代えがたい喜びです。逆に、親より先に他の人へ報告してしまい、親が後から知ったとなると「なぜ真っ先に言ってくれなかったの?」と悲しい思いをさせてしまうかもしれません。
親への結婚報告は、結婚に関する報告の中でも最優先事項です。結婚の意思が固まったら、できるだけ早く両親に伝えるようにしましょう。結婚式や入籍の日取りが未定でも大丈夫。「結婚したいと思っている相手がいる」という事実だけでも、一報を入れておくことが大切です。それが両親への礼儀であり、今後の結婚準備をスムーズに進める第一歩にもなります。
まずは基本となるタイミングから見ていきましょう。いつ伝えるのがベストなのでしょうか?
親への結婚報告のタイミングは?ベストな時期と切り出し方
「プロポーズされた(またはした)けど、親への報告はいつするべき?」と悩む人は多いです。結論から言えば、結婚の意思が固まったらできるだけ早く伝えるのが理想です。一般的にはプロポーズから1か月以内には報告を済ませるカップルが多いようです。プロポーズ=結婚の意思確認ができたタイミングですから、できるだけ間を空けず報告しましょう。
ただ、早ければ何でも良いわけではありません。報告に適したシチュエーションや切り出し方も考えておきたいところです。親御さんがリラックスしているとき、ゆっくり話ができるタイミングを選ぶとよいでしょう。例えば実家に帰省した際の食事後のひとときや、両親とお茶を飲みながら談笑しているタイミングなど、家族が落ち着いて過ごしている時間が狙い目です。忙しいときや機嫌が悪そうなときは避け、「ちょっと大事な話があるんだ」と前置きして切り出すと親御さんも心の準備ができます。
両親が交際相手を知っている場合はシンプルに報告
ご両親があなたの交際相手の存在を既に知っている場合(何度か紹介済み、顔見知りである等)は、比較的スムーズに話を切り出せるでしょう。この場合は変に凝った前置きはせず、ストレートに結婚の意思を伝えるのが一番です。
例えば、こんな風に伝えてみましょう。
「実はこの前○○さんにプロポーズされました。私たち、結婚することに決めたよ。」
「〇〇さんと結婚したいと思っているんだ。」
親御さんからすれば、子どもに結婚を考えている相手がいると聞けば、いつかは来るかもしれないと心づもりをしているものです。交際相手と面識があったり存在を伝えてある親御さんなら「そろそろかな?」と薄々期待していることも多いでしょう。ですから、素直にプロポーズされた(した)事実を報告すれば大丈夫です。あまり緊張しすぎず、「遂にこの日が来たよ!」という明るいトーンで伝えると、親御さんも喜んでくれるはずです。

交際を知らせていない場合は順を追って説明
一方、親があなたに交際相手がいること自体を知らない場合は、報告を聞く親御さんの驚きも大きくなります。突然「結婚します!」と切り出すのは流石にびっくりしてしまうでしょうから、段階を踏んで話すことがポイントです。
具体的には、次の順番で伝えてみてください。
- 実はお付き合いしている人がいること
- 最近プロポーズされた(または結婚の約束をした)こと
- ぜひ相手に会ってほしいと思っていること
例えば、切り出し方の一例です。
「実は、付き合っている人がいるんだ。結婚しようと思っていて、今度ぜひ相手を紹介させてほしいの。〇〇さんという方で…」
このように話し始めれば、親御さんもだいたい察して「そうか、いよいよ結婚するのか!」と理解してくれるでしょう。もちろん突然の報告に驚いて、「どんな人?年齢は?お仕事は?」と質問攻めにされる可能性もあります。その場合は一つひとつ丁寧に答えてあげてください。後ほど詳しく述べますが、相手の基本情報(名前・年齢・職業・人柄・家族構成・交際期間・出身地など)は親が特に知りたがるポイントです。不安を取り除くためにも、わかる範囲で誠実に伝えてあげましょう。「こんな素敵な人だよ」と伝えることで、親御さんも安心し、あなたの結婚の意思を真剣に受け止めてくれるはずです。
報告しづらいときは“会ってほしい人がいる”でもOK
「頭では伝えなきゃと分かっているけど、いざとなると言い出せない…」という場合もあるでしょう。特に照れくさかったり普段そういう話をしない親子関係だと、急に結婚の話題を切り出すのは勇気が要りますよね。どうしても直接「結婚することにしたよ」と言うのが恥ずかしい場合、「実は、改まって挨拶に来たいと言ってる人がいるんだけど…」と遠回しに伝える方法もあります。
例えば、
「付き合っている○○さんが、今度うちに挨拶に来たいって言ってるんだけど…」
と話せば、多くの親御さんは「もしやプロポーズされたのかな?」と気づいてくれるでしょう。それでも親から「どういうこと?」と聞かれたら、そこで「実はプロポーズされて…」と正直に伝えればOKです。こうした婉曲な言い方で様子を見るのも一つの手ですが、大事な話ですから最終的にはきちんと自分の口で伝えることも忘れないでくださいね。
注意:報告を先延ばしにしないこと!
タイミングについてもう一点、絶対に報告を後回しにしないことが大切です。緊張するからとズルズル引き延ばしていると、思わぬ形で親御さんに伝わってしまうリスクもあります。例えば、先に友人に結婚の話を伝えたところ、噂で親の耳に入ってしまった…なんてケースも。親が他の人経由で知るのは最悪のパターンです。「自分たちの結婚を親に報告する前に周りに言ってしまった」ことを後悔する声も実際にあります。
成功談・失敗談を見ても、報告が遅れたことで親御さんの機嫌を損ねてしまった例があります。せっかく喜んでもらえるはずの結婚話ですから、迷ったら早めに伝えるようにしましょう。「急に言ったら驚かれるかな…」と心配かもしれませんが、むしろ一報が遅いほうがショックを与えてしまいます。結婚の意思が固まった時点で、できるだけ早めにタイミングを見計らって伝えてくださいね。
親への結婚報告の方法:直接?電話?手紙?ベストな手段とは
では、実際に親に報告する手段について考えてみましょう。今は電話やメール、LINEなど様々な連絡手段がありますが、結婚報告に関して言えばベストはやはり「直接会って伝える」ことです。直接顔を見て、声のトーンや表情もしっかり伝えながら報告することで、結婚の決意の固さや真剣さがより親に伝わります。なにより、子どもから直接そんな大切な話を聞けることは親御さんにとって嬉しいものです。
直接会って話せる場合は、ぜひ時間を作って実家に足を運びましょう。たとえ遠方に住んでいても、可能であれば一度帰省して報告する価値はあります。顔を合わせて伝えれば、親御さんのリアクションもその場でわかりますし、こちらの思いもしっかり届けられます。
しかし中には、どうしても直接会うのが難しい状況もありますよね。たとえば遠方や海外に住んでいる、仕事が忙しくて帰省の予定が立たない、といった場合です。そのような場合は電話で伝えても構いません。声だけでも直接伝えることで、メールなど文字だけよりは気持ちが伝わりやすくなります。「本当は直接会って伝えたかったんだけど…」と一言添えて電話をすれば、事情も汲んでもらえるでしょう。
逆に、メールやLINEなど文章だけでの報告は避けるべきです。手軽なのでついやりがちですが、大事な結婚の報告を文章だけで済ませるのはやはり味気ないですし、受け取る親御さん側も寂しい思いをするかもしれません。「本気なのかな?」「大事な話なのに軽いな…」と感じる親御さんもいるでしょう。SNSへの投稿で間接的に知らされるなんてもってのほかです。必ず本人の口から、直接または電話越しに伝えるようにしてください。
ちなみに手紙という手段もありますが、基本的にはこれもおすすめしません。よほど電話もできない特別な事情(例えば聴覚に障害がある親御さんの場合など)がない限り、やはり肉声で伝えるほうがベターです。どうしても緊張して話せないから手紙を…という方もいるかもしれませんが、たとえ拙くても自分の声で伝えたほうが誠意は伝わります。手紙はあくまで補助的なものと考え、直接会うか電話での報告を基本としましょう。
まとめ
- 最優先は直接会って報告。顔を見て伝えるのが一番!
- 会えないときは電話で。声だけでも気持ちを込めて伝える。
- メールやSNSでの報告はNG。手軽でも大事な報告は文章で済まさない。
この原則を押さえておけば、少なくとも失礼には当たりません。次に、具体的なマナーや準備について詳しく見ていきましょう。
親へ結婚報告をする際のマナーと事前準備
両親への結婚報告は格式張った儀式というほどではありませんが、最低限守るべきマナーがあります。また、事前に準備しておくことで当日の報告がスムーズになるポイントもあります。ここでは親への報告前に押さえておきたいマナーと準備事項を解説します。
両親がそろう場で報告するのがベスト
まず、報告は両親揃っている場で行うのが理想です。お父さんに言いにくいからとお母さんにだけ言って済ませたり、お母さんから父へ伝えてもらうのは、本来望ましくありません。やはりお父さんお母さん両方に、自分の口から直接伝えることに意義があります。
とはいえ、「どうしても父親に面と向かって言うのは緊張する…」という場合もありますよね。その場合、まず先にお母さんに相談して協力してもらう方法もあります。例えば、
- 母親に先に報告して味方についてもらう: 「お父さんに話しづらいから協力して」とお願いし、母からそれとなく父に心の準備を促してもらう。
- 母親経由で場をセッティング: 母から父に「今度◯◯(あなた)が大事な話があるみたい」と伝えてもらい、家族全員が集まる時間を作ってもらう。
こうしたお母さんの力を借りるのも一つの手です。ただし、「結婚しようと思っている人がいる」こと自体は必ず自分の言葉で父にも伝えるようにしましょう。母任せにして最後まで父に直接報告しないのはNGです。母に下準備を手伝ってもらいつつ、肝心な部分は自分でしっかり伝える、というスタンスを忘れないでください。
事前に結婚挨拶(相手の親への挨拶)の日程候補を考えておく
親への報告はゴールではなく、その後にお互いの親への「結婚挨拶」という次のステップが待っています。あなたが自分の親に結婚を報告すると、高い確率で「では今度、相手の方(婚約者)にも挨拶に来てもらわないとね」という流れになるでしょう。親御さんから「いつ会えるの?」と聞かれることも十分考えられます。そんなときに日程をすぐ調整できるよう、あらかじめ二人で結婚挨拶の候補日をいくつか用意しておくとスムーズです。
例えば報告の際に、「◯月◯日か◯日あたりで、○○さん(婚約者)と一緒に改めて挨拶に伺いたいんだけど、ご都合どうかな?」とこちらから提案できれば、話が早いですよね。親御さんも心構えができますし、スケジュールの都合もつけてもらいやすくなります。特に双方の実家が遠方同士の場合や、忙しいご両親の場合は日程調整が意外と大変です。候補日は2〜3日ほど用意しておき、即答できるようにしておきましょう。
日程以外にも、もし報告時に聞かれそうなことがあれば想定問答を準備しておくと安心です。例えば「結婚式はどうするの?」「入籍はいつ頃?」といった質問はよくあるので、現時点で決まっていなくても自分たちの希望や考えを話せるようにしておくと良いでしょう。「式はまだ具体的に決めてないけれど、親族だけで行う方向で考えています」など、ざっくりでも答えられると親御さんも安心します。
報告時に伝えるべきことを整理しておく
前述のとおり、親への結婚報告では結婚の意思表明だけでなく、可能であればお相手の基本情報も一緒に伝えてあげると親切です。にもあるように、親御さんの不安を取り除くため、伝えられる範囲で詳しく教えてあげましょう。
親御さんが特に知りたいポイントは以下のような事項です。
- お相手の氏名・年齢(自分の子どもと年齢差がある場合は特に気になります)
- 職業・勤務先(安定した職か、将来性はあるかなど気にする親も)
- 人柄(どんな性格の人なのか、あなたが惹かれたポイントなど)
- 出身地や家族構成(どこで生まれ育ったのか、ご両親や兄弟姉妹のこと)
- 交際期間や出会いの経緯(どのくらい付き合っているのか、どんなきっかけで知り合ったのか)
一度に全部詳細に話す必要はありませんが、これらを聞かれたら答えられるように準備しておくと慌てずに済みます。特に「どんな人?」という質問には、あなた自身が感じているお相手の魅力や信頼できるところをしっかり伝えてあげてください。親御さんの立場になれば、大切な我が子がどんな人と結婚するのか知りたいのは当然です。そこを丁寧に説明してもらえると、「この人なら安心だ」と思ってもらいやすくなります。
準備といっても堅苦しく構える必要はありません。頭の中で一度シミュレーションしておくだけでも違いますよ。当日は落ち着いて、笑顔も交えながら、誠意を持って伝えましょう。
服装や手土産は必要?基本は「いつも通り」でOK
自分の親に会うのに、改まった服装や手土産は必要なのか迷う方もいます。結論として、普段どおりの服装で構いません。スーツを着たり改まった格好だと、かえって親もびっくりして構えてしまうかもしれません。実家に帰省するつもりで、清潔感のある普段着程度で十分です。ただしあまりラフすぎる格好(ヨレヨレの部屋着のような服装等)は避け、きちんとした身なりでは臨みましょう。「この服装なら両親に会っても恥ずかしくないかな?」と自分で納得できる服装ならOKです。
手土産についても、基本的には不要です。自分の実家に帰るのに改めて手土産は変ですし、親からすれば「そんな他人行儀な…」と感じるでしょう。ただ、遠方から帰省する場合などは旅行土産や地元の名産品を持っていく程度はマナーとして問題ありません。深く考えなくても大丈夫です。
一方で、お相手(婚約者)を連れて親に挨拶に行く場面になれば話は別です。相手の親への挨拶では服装や手土産にもマナーがありますので、それはまた別途しっかり準備しましょう(※その点についてはこの記事後半で触れています)。まず今回は自分一人で自分の親に報告するシーンを想定していますので、自分らしくリラックスして臨むのが一番です。

親への結婚報告での伝え方:感謝の気持ちを込めて
ここまでタイミング、方法、マナーと準備についてお話ししてきました。いよいよ実際に親御さんに結婚の意思を伝えるその瞬間、どのような言葉で伝えるかも悩みどころですよね。緊張して頭が真っ白になってしまうかもしれませんが、大切なのはあなたの言葉でしっかりと思いを伝えることです。
ポイントはシンプルです。結婚の事実報告+日頃の感謝やこれからの決意を伝えること。この二つが盛り込まれていれば十分です。
例えば、実際の伝え方の一例を挙げてみます。
「お父さん、お母さん。今日は二人に伝えたいことがあって来ました。私、○○さんと結婚することに決めました。まだ未熟な私だけど、○○さんと力を合わせて温かい家庭を築いていきたいと思っています。いつも支えてくれた二人には本当に感謝しています。これからも見守っていてください。」
少しかしこまった言い方に感じるかもしれませんが、自分の気持ちを丁寧に言葉にすると考えればそう難しくありません。上記は一例ですが、以下の要素を盛り込むと良いでしょう。
- 結婚する意思をはっきり伝える言葉(「結婚することにしました」「結婚したいと思っています」など)
- 相手と協力してやっていくという前向きな決意(「二人で助け合って頑張ります」など)
- 親への感謝の言葉(「ここまで育ててくれてありがとう」「いつも応援してくれて感謝しています」など)
- これからもよろしくねという気持ち(「これからも見守ってください」「また力を貸してください」など)
特に親御さんにとって嬉しいのは感謝の言葉です。例えば、女性の方(娘さん)であれば「今まで大切に育ててくれてありがとう。私は本当に幸せ者です」と伝えれば、お母さんお父さんは間違いなく胸が熱くなるでしょう。男性(息子さん)でも、「これまで支えてくれてありがとう。ようやく一人前の報告ができます」といった言葉を添えれば、ご両親は「立派になったなあ」と感じてくれるはずです。
照れ臭くて普段言えないことでも、結婚報告の場だからこそ言える言葉もあります。親への感謝と結婚への決意、シンプルですが心を込めて伝えてみてください。飾った言葉よりも、あなたらしい率直な言葉のほうが気持ちが伝わりますよ。
質問攻めにも笑顔で対応を
報告を受けた親御さんは安心して色々聞いてくるでしょう。「そうか、よかった!ところでお相手はどんな人?」「出身は?ご両親はどんな方?」などなど。驚きと嬉しさでテンションが上がり、質問が次々出てくるかもしれません。先ほど準備編でも触れたように、そうした質問にはできるだけ丁寧に答えてあげましょう。ここで面倒くさがったり「まだ決まってないよ」とそっけなく返すと、親御さんも不安になります。笑顔で一つひとつ答える姿勢を見せれば、あなたの結婚に対する本気度も伝わりますし、親御さんも安心してくれます。
もし親御さんから思いがけない反応や意見が出ることもあるかもしれません。例えば「結婚式はちゃんと挙げてね」「新居はどうするの?」など希望や心配を口にする場合です。その場では答えられなくても、「これから二人でよく考えていくね」と前向きに受け止めておけば大丈夫です。大事なのは、報告後も親御さんの声に耳を傾けることです。結婚は本人同士のものとはいえ、家族にとっても大きなイベント。親の気持ちもしっかり汲み取りつつ、二人の希望とのバランスを考えていきましょう。
それでは次に、実際の先輩カップルたちのエピソードから、結婚報告の成功例・失敗例を見てみましょう。良かった点や反省点を学ぶことで、より具体的なイメージが掴めるはずです。
エピソードで学ぶ!親への結婚報告【成功談・失敗談】
ここからは、先輩カップルの実際の体験エピソードをご紹介します。私が担当した新郎新婦さんや友人知人から聞いた成功談・失敗談の中から、特に印象的なものを2つ取り上げます。同じ状況に陥らないよう教訓にしたり、良いアイデアは是非真似してみてください。
成功談:感謝を伝えた結婚報告に両親も涙
彩香さん(28歳・女性)のエピソード
社交的でご両親ととても仲が良い彩香さんは、結婚が決まったとき真っ先に「大好きな両親に一番に知らせたい!」と思ったそうです。遠方で暮らしていましたが、プロポーズから一週間後に地元の実家へ帰省。夕食後、改まって両親に「ちょっとお話があります」と切り出しました。緊張で手が震えましたが、テーブル越しに両親の目を見て、「実は…私、○○さんと結婚することにしたよ」と報告。続けて「お父さんお母さん、今まで本当にありがとう。二人のおかげで素敵な人と出会えて幸せです。これからも見守っていてね」と、涙声になりながらも精一杯の感謝を伝えました。
それを聞いたお母さんの目にも涙が…。お父さんも静かに頷きながら「そうか…よかったなぁ」と一言。三人とも泣き笑いのような表情になりながら、しばし抱き合いました。彩香さんによると、「あんなに泣いて喜んでくれるとは思わなかった。直接帰省して伝えて本当に良かった」とのこと。後日、婚約者を交えてあらためて両親に挨拶をしましたが、その時も「彩香は本当に私たち孝行な娘なんですよ」と両親が婚約者に語っていたそうです。
このエピソードから分かるように、やはり直接会って顔を見て報告し、感謝の気持ちをしっかり伝えることが何よりの親孝行になります。彩香さんも最初は恥ずかしさもあったようですが、「一生に一度の大事な報告だからこそ、親に感謝を伝えるチャンスだと思った」と話していました。感謝と決意を自分の言葉で伝える——これこそ両親への結婚報告成功の秘訣だと改めて感じるエピソードです。
失敗談:メールで済ませて後悔、両親はショック
直樹さん(30歳・男性)のエピソード
IT企業に勤める直樹さんは、慎重で真面目な性格。ただ少し不器用なところがあり、親御さんとは遠距離で頻繁には会えないこともあって連絡は主にメール派でした。プロポーズが成功し舞い上がった直樹さんは、忙しさもあってつい両親への結婚報告をメールで済ませてしまったのです。件名に「ご報告」と付け、本文で「○○さんと結婚することになりました。今度改めて連れて行きます。」と送信。自分では「ひとまず早めに伝えられたし大丈夫だろう」と思っていました。
しかしその夜、実家の母から電話が。「結婚するって本当?お父さんも私もメールを見て驚いたわ…どうして電話くらいしてくれなかったの?」と少し寂しそうな声だったそうです。直樹さんはハッとして平謝り。両親は怒ったりはしませんでしたが、明らかにショックを受けている様子でした。後日、婚約者を連れて実家に挨拶に行き正式に報告しましたが、母から「お父さんね、あんたからちゃんと電話で聞きたかったみたいよ」と聞かされ、直樹さんは「大事なことほど直接伝えるべきだった」と深く後悔したそうです。
この失敗談は、結婚報告をメールやLINEで済ませてしまうリスクを物語っています。直樹さんも「早く知らせなきゃ」という真面目さから即座にメールを送ったのですが、親の立場からすると声が聞きたかったわけです。幸いその後の挨拶でフォローできたものの、「最初の報告はちゃんと肉声で伝えるべきだった」と直樹さん自身痛感していました。
皆さんは同じ失敗をしないよう、ぜひ最初から直接会うか電話で報告してくださいね。たとえ遠方でも、一声電話を入れるだけで印象は全く違います。「手軽さ」より「心遣い」が大事だと、このエピソードは教えてくれます。
いかがでしょうか。成功談・失敗談からも、親への結婚報告で大切なのは「直接」「早く」「感謝を込めて」という点が浮き彫りになりましたね。
では、最後に親への結婚報告を済ませた後の流れについて簡単に触れておきましょう。
結婚報告後の流れ:親への報告から次のステップへ
自分の親への結婚報告が無事済んだら、ホッと一息つきたいところですが、結婚準備はここから本格的にスタートします。親御さんへの報告後、一般的には以下のような流れで進んでいきます。
- お互いの親への結婚挨拶 – 自分の親への報告後、日程調整をして婚約者と二人で相手の親のもとへ挨拶に行きます。日本では通常、男性が女性の実家へ先に挨拶に行くケースが多いですが、お互いの両親へきちんと顔を合わせて挨拶をすることが大切です。結婚挨拶では、結婚の許しをもらう正式な場となりますので、服装や手土産、挨拶の言葉などマナーをしっかり押さえて臨みましょう(※親挨拶のマナーについては別途「親への結婚挨拶ガイド」を参考にしてください)。
- 両家の顔合わせ食事会 – 双方の親への挨拶が済んだら、機会を設けて両家の顔合わせを行うことが一般的です。正式な結納をしない場合でも、両家が一堂に会して食事をしながら親睦を深める場を持つカップルが多いです。和やかな雰囲気で進められるよう、場所や進行をプランニングしておきましょう。
- 結婚式・新生活の準備 – 両親への報告・挨拶・顔合わせまで終われば、いよいよ結婚式の準備や新居探し、入籍手続きなど具体的な結婚準備に移ります。両親へは随時その進捗を報告したり、相談したりしながら進めると安心です。特に結婚式については、式を挙げるか挙げないか、招待客や規模感など親の意向もある程度確認しつつ計画すると後々のトラブルが防げます。
上記は一例ですが、要するに親への結婚報告はゴールではなくスタートだということです。親御さんへの報告をきっかけに、一気にいろんなことが動き出します。最初の報告をきちんとしておけば、その後の親御さんとのコミュニケーションも円滑になります。逆に報告でつまづいてしまうと、後々まで尾を引く可能性もありますから、最初の報告を丁寧に行うことが何より大事なのです。
親御さんも大切な我が子の晴れ舞台を良い形で迎えたいと願っています。報告後も折に触れて様子を伝えたり、相談事があれば素直に頼ってみたりしましょう。そうすることで、親御さんも「頼られている」と感じて嬉しいものです。結婚は新郎新婦本人にとっても初めての経験で分からないことだらけです。先輩でもあるご両親の知恵を借りながら、準備を進めていくくらいの気持ちでいると安心ですよ。

まとめ:親への結婚報告は心を込めて丁寧に
親への結婚報告について、タイミング・手段・マナー・伝え方・報告後の流れまで幅広く解説してきました。最後にポイントを簡単に振り返ってみましょう。
- タイミング: プロポーズ後できるだけ早く、両親が落ち着いている時に伝える。先延ばし厳禁!
- 手段: 可能な限り直接会って報告。難しければ電話で。メールやSNSで済ませるのはNG。
- マナー: 両親揃っている場で、自分の口から報告する。事前に結婚挨拶の候補日や想定問答を準備しておくと◎。
- 伝え方: 結婚の意思はハッキリと。加えて親への感謝や決意を自分の言葉で伝える。笑顔と誠意を忘れずに。
- 報告後: 次は相手の親への挨拶や両家顔合わせへ進む。引き続き親ともよく相談・協力しながら準備を進める。
初めてのことで緊張もあると思いますが、親御さんは基本的にあなたの結婚を心待ちにしています。真摯に報告すれば、きっと喜んでくれるでしょう。万一驚かせてしまっても、時間とともに実感が湧き、落ち着いて受け入れてくれるはずです。
大事なのは「気持ちを込めて伝える」こと。切り出す瞬間は勇気が要りますが、その先には親子の絆が今まで以上に深まる温かい時間が待っています。ぜひこの記事のアドバイスや先輩たちのエピソードを参考に、あなたらしい結婚報告をしてみてくださいね。応援しています!そしてご両親と喜びを分かち合い、晴れやかなスタートを切りましょう。
以上、ブライダルプランナーの橘さおりがお伝えしました。あなたの結婚報告がうまくいきますように。末永くお幸せに!
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Profileこの記事を書いた人
橘 さおり(たちばな さおり)
■生まれた年
1987年
■性別
女性
■経歴・職歴
ブライダル業界経験15年。大手ホテルウェディングプランナーとして8年勤務後、現在は都内の独立系ウェディングサロンでチーフプランナーとして活躍中。これまでに500組以上のカップルを担当。
■性格・特徴
・穏やかで聞き上手。包容力があり、相談者に安心感を与える。
・細やかな気配りと的確なアドバイスが好評。相手の状況や感情に寄り添い、相手が求めている言葉を自然と引き出す能力を持つ。
■得意分野
・結婚準備のファーストステップ(親・職場・友人への報告や手続き)へのアドバイス。
・カップルそれぞれの性格や家族背景に合わせたオーダーメイドな提案。
・家族間の微妙な関係性や伝統的価値観など、デリケートな話題への対応。
■ライフスタイル
・夫と小学生の娘との3人暮らし。自身の経験からも、仕事と家庭の両立や親子関係への理解が深い。
・趣味は旅行、読書、カフェ巡り。プライベートで訪れた場所や経験を仕事に生かすことも多い。
■提供するアドバイス例
「ご両親への報告は、できるだけ早めに直接会って伝えると印象が良いですよ。その際には、今後のことをまだ決めていないことも正直に伝えて、両親にも意見を聞いてみましょう。」
「感謝の気持ちは具体的なエピソードを交えて伝えるとより伝わります。親御さんはお二人の成長を喜んでくれるはずです。」